暁のヨナ緋龍王と四龍に愛されし舞姫続 (ページ3)

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四十八の舞ページ3

その夜。滞在しているところに戻ってきた。ユキは俺たちと離れたところで座って空を見上げている。

ハク｢ユキ、どうした｣

ユキ｢ハク兄。…いや、私がいない間、ヨナ姫は城にいた頃と変わったなと思って｣

ハク｢昼間の事か｣

俺はユキの横に座りながら返事をする。

ユキ｢ええ。町の人の笑顔に活気がない事に気付くのはよく見ていないと分からないこと。町に来たのが初めてだと言うのならなおさら｣

ハク｢俺も少し驚いた。町をあまり知らない姫さんがああいうことに気付くのかと｣

ユキ｢神官様に会って何か変わったのね…もっと早く、ヨナ姫達に追いついてヨナ姫が変わっていくのを見ていたかった…｣

ユキは寂しそうに呟いた。

ハク｢…これから、見ていけばいいさ。姫さんがこの国を見てどう思い、どう動くのかを。…俺は嫌だけどな｣

ユキ｢そう…ね。でも、私もヨナ姫に危険な目に合わせなく無い。それは桜龍として思うのではなくて、幼なじみとして、ただ純粋に生きていればそれでいいと、私は思うの｣

ユキは静かに語り出す。こいつは普段、こういう事は言わない。

ユキ｢でも、それは願いでしかない。実際は違う。ヨナ姫の示す星は険しくて危険で時には命さえ脅かす道。それはもうこの地に生まれた時から定められた道筋。もはや変える事は叶わない｣

ハク｢…ユキ、お前｣

ユキ｢私は桜龍の能力を受け継ぐから星を読むことが出来る。その人の運命、その人の行く末を見ることが出来る…あの夜、もっと早く星の異変に気付いていればイル陛下を護る事が出来たのに…時にこの能力を憎いと思う。未来を知ったところで出来ることはごく僅か。異変に気付くのが遅ければ何の意味もない｣

ハク｢ユキ、もうやめろ。あれはお前のせいじゃない。気付ける所はあったんだ。それを見抜けなかった俺のせいでもある。だからもう責めるな｣

ユキ｢…ハク兄、ヨナ姫を失わないように、護っていこう。もう二度と後悔しないように｣

ハク｢ああ｣

俺はユキの頭に手を置き、静かに言った。