壊れたのは。【JW】 (ページ5)

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(ある日の過去N.K)

ある日、東京での仕事だった。

久々の全員集合で、雑誌の撮影。

俺にとっては唯一と言っていい程

楽しくて、大切な場所だった。

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せやけど、神様は意地悪で、

この場所も俺の居場所を奪っていった。

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『おはよう！遅れてごめ...ん、』

前の仕事が押してしまい、数十分遅れての合流。

遅れたのは仕事のせい、やから皆も大変やったなぁって許してくれる、その甘えた俺の予想は見事に外れた。

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桐「はよ準備せぇよ？押してんねんから。」

怒ってはなそうやけど、見るからに空気がピリついていた。

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その態度に、俺も自分のせいじゃないと開き直ってイラついてしまった。

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急いで用意された衣装に着替えてメイク直しを終える。

そこから撮影スタジオに入ると俺以外皆揃っていた。

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笑ってる、機嫌戻ったんかな...

6人、楽しそうに会話していた。

その時、どこからか、誰かのメンバーの声でこんな言葉が聞こえた。

〝あいつ意識低すぎやろ、こっちは疲れとんのにさ。〟

〝いい迷惑やわ、笑〟

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急に足が動かなくなった。

体中の力が抜けてどうすればいいか分からなくなった。

どういう顔してあの輪の中に入ればいい

皆が笑ってるあの空間が、俺が行って壊れたらどうしよう

どうすればいいか分からなくて頭をフル回転させて考える。

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やけど、考えれば考える程何が何だか分からなくなって混乱する。

『はあっ、はぁっ、』

カ「小瀧さん？」

ス「小瀧さんｯ！」

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頭が真っ白になった。

意識を手放す寸前、見えたのは俺に駆け寄るスタッフさんだけやった。