愛されて A N G E L (青) (ページ49)

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Angel.49(YOKOYAMA) ページ49

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錦「逆にそれ、見せてもよかったんちゃう？」

丸「いやぁ、僕は見せへんほうがええ気がする」

明日の昼の便で帰京する俺たちは、
宿泊するホテルの一室で今日のヤスの様子について聞いていた。

「本人は大人の自分を覚えてへんってことやんな？」

大「あの感じはそうやと思うで」

村「ほんでも、それは分からしたらなあかんのちゃうか？」

渋「徐々にやな。いきなりはパニックになるだけや」

今日は珍しく昼寝をせぇへんかったみたいやから、
ヤスはかなり早く寝てしもうて、もう夢の中。

丸「毎日少しずつ映像見せたり、曲聴かせたりするのはどう？」

渋「まぁそれが1番確実な方法やと思うで」

村「期限もあることやし、ダラダラしとる場合ちゃうからな」

ヤスの活動休止期間のことについても、一旦全員に話してん。
多少動揺はされたけど、みんなはヤスを信じると言ってくれた。

苦楽を共にしてきた時間が長いからこそ信頼できることがある。

それを誰もが分かっているからこそ、
ヤスのことを“信じたい”と思えたんやと思うねん。

「絶対間に合わせなあかん」

錦「多分、章ちゃんもおんなじ気持ちなはずやで」

そうであってほしい。
関ジャニ∞に戻りたいという気持ちが残ってればそれでいい。

章「ここ、……どこぉ……」

「大丈夫やで、俺らはここにおるで」

なんの夢を見てるのか分からへんけど、
どこかを彷徨っているように不安そうなヤスの寝言。

あわよくばその夢の中で何かを思い出さへんかななんて思って、
つい寝言に反応してしまう。

丸「あれ……章ちゃん、こんな指輪してはりました？」

丸に言われてヤスの手を見ると、
右手の薬指に、見たことない指輪が付いていた。

大「いつから付いてたんやろう……」

渋「俺も、ぜっんぜん気がつかへんかった」

村「それにしても、この石かなり濁ってんなぁ」

元々何色だったのだろう……。
深く色褪せた指輪の石は、なぜか寂しそうに見えた。

錦「最初からついてたんちゃう？」

どっくんの言葉に、
なんとなくやけど、丸だけが納得してなさそうやった。

渋「とりあえず、もうあんなことにはならへんよう気ぃつけよ」

今回の出来事で、俺らはより一層気を引き締めて
仕事もヤスの育児もやろうと誓い合ってん。