愛されて A N G E L (青) (ページ47)

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Angel.47(OKURA) ページ47

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他のメンバーは朝イチから仕事があるみたいで、
今病室にいるのは俺だけ。

「んふふ、よぉ寝てる」

昨日の晩はうなされてて、苦しそうやってん。
それに比べたら今は少し落ち着いて眠れてるように見える。

朝日も昇ってきたからそろそろ陽の光を入れようと思って、
カーテンを開けると、

章「んぅ……………あさぁ？」

ゴシゴシと目を擦って目を覚ましたヤス。

「おはよう、気分悪くない？」

章「ん？しょーちゃんへいきやでぇ？」

昨日倒れた事も気づいてへんみたいやし、
見た感じもかなり元気そうやからとりあえず一安心。

章「ここ、どこぉ？」

「ここは病院。でももう帰るから大丈夫やで」

“病院”と言うワードに一瞬表情が曇ったけど、
もう帰れるとわかったからか、すぐににっこりしてくれた。

「ありがとうございました」

看護師さんに一言声をかけて病院を後にする。
その間ヤスは人見知りをしてるのか、ずっと俺の後ろに隠れてた。

「あ、もしもし、横山くん？」

横(ヤスは？もう具合はええんか？)

「本人は平気やって言うてるで」

俺を見上げて不思議そうにしているヤスに、横山くんやでって言うたら喜んで携帯を受け取った。

章「しょーちゃんげんきやでぇ」

横(そうか、元気ならよかった。今日は大人しくしとくんやで)

電話を切って、ホテルに向かう。

ほんまは昨日泊まるはずやってんけど、結局みんな病院におったから、荷物だけ先にマネージャが預けてくれてるらしいねん。

章「きょーはおそといかへんのぉ？」

「そうやなぁ、今日はここでまったりしようや」

キャリーバッグからノートと色鉛筆を出してあげると、
黙々と絵を描き始めたヤス。

俺は昨日の現場を実際見たわけちゃうからさ
ぶっちゃけると、すばるくんが話してたようなヤスの姿が想像できひん。

だって……

章「ふふふ〜ん♪」

寝転びながら鼻歌混じりにお絵描きをしてんねやもん。
おまけに絵は幼稚園生みたいな可愛い絵やし。

「何書いてんの〜？」

章「これがおひさまさんでなぁ、うみでおさかなさんがおよいでるねん」

「じゃあこっちは？」

章「なすびさんと、みかんのきぃでなぁ、この伸びてるのがかげやで！」

無意識なのか、はたまた偶然なのか。
7色で描かれたカラフルな絵に、俺は少しだけ泣きそうになった。