愛されて A N G E L (青) (ページ42)

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Angel.42(MARUYAMA) ページ42

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「章ちゃん、おはよう」

章「おはよぉ」

信ちゃんが着せたらしい服があんまりにもガッチャガチャやから、ほんまに吹き出しそうやったけど……

章「ここのなぁ、しましまがぽいんとでなぁ」

本人はファッションポイントを嬉しそうに話してくれはるから、
ダサい服でさえ可愛く見えてもうてんねん。

空港までは1時間もかからへんから、
その間に急いで章ちゃんの朝ごはんを食べさせる。

「ちゃんと噛んでゴックンするんやで」

章「なぁなぁ、しゅばたちなんでおこられてるん？」

そう、今僕たちの前の席では、

大「ごめんってぇ」

渋「それだけは勘弁して……」

寝坊して、その原因がゲームやとバレてもうた大倉たちが
信ちゃんにゲームを没収されてんねん。

大「横山くんからもなんとか言うてぇや」

横「まぁ、見つかったのがヒナやったことが運の尽きやな」

渋「この、薄情もんが！」

まあ、あの様子やと1週間はお預けやろうなぁ。

章「わぁぁ、ひこーきぃ！」

「章ちゃん！そんな走ったらあかんよ！」

空港のロビーにて。
まだ朝も早いから、そんなに人もおらへん。

章ちゃんは窓から見えるたくさんの飛行機に大はしゃぎで、
あっちこっち動くから目が離されへんねん。

錦「そろそろ搭乗口に行ったほうがええんちゃう？」

村「ほんまやな。おーい、そろそろ行くで」

シートは信ちゃんと僕で、章ちゃんを挟んで座る。
さっきまで飛行機やって楽しみにしてたはずやのに…

章「だっこぉ、だっこなのぉ……」

何が不安になってもうたんか、抱っこがいいとグスグスさんになってしまった章ちゃん。

一応、ファーストクラスには僕たちしかいいひんから、多少泣かれても大丈夫やねんけど、離陸して安定するまではシートベルトを外されへん。

「もう少し我慢してなぁ」

章「おうちかえるのぉ、これいやや！」

シートベルトの金具をカチャカチャして取れって訴えてくる。
僕やって外してあげられるならそうしてあげたいよ……

信「ああ、ありがとうございます。ほんますいません」

心優しいCAさんが、気休めになればって言うて、
章ちゃんにりんごジュースを持ってきてくれはった。

「章ちゃん、りんごさんやで」

とりあえずジュースに気を取られてくれたから、
このまま何事もなく離陸してくれるのを待つのみや。