愛されて A N G E L (青) (ページ38)

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Angel.38(YOKOYAMA) ページ38

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別件で仕事をした後に、事務所に向かった。

「そういうわけなんで、安田の状態は公表せんといて欲しいんです」

昨日ヒナたちには嘘をついててん。

ほんまは、現状を伏せることはダメなんやって。
事務所の決まりとして、ファンのためにも伝えなあかんらしい。

「僕らでどうにか上手くやります」

もし今後復帰した時に、恥ずかしい思いをするのはヤスや。
せやから、なるべく世間には知られたくないねん。

粘り続けて1時間。
ひとつも折れへん俺の気持ちが伝わったのか、なんとか承諾をもらった。

ただ……

“復帰までの猶予は1年間”

1年間で元の状態に戻られへんかった時は……

“関ジャニ∞を正式に脱退してもらう”

というのが事務所からの答えやった。

とんでもない賭けに正直不安しかなかった。
でも、どこかでヤスを信じてる自分がおったから……

「わかりました。ありがとうございます」

そう言って、会議室を後にした。

「すばるからや……」

【明日の準備、お願いしたい】

準備？
ああ、大阪行きの荷物のことか。

多分やけど、なんとなく察しがついたから、“了解”とだけ返信しておいた。

渋「まだ寝ぇへんの？」

章「ねえへん！しゅばとあそぶねん！」

どっくんの家に着いたのは23時。
すばるに引っ付いて離れへんヤスを見て“多分”が“確信”に変わった。

「適当に荷物は詰めといたで」

渋「ありがとう、助かったわ」

ヤスがすばると居るって聞かへんから俺に荷物をお願いしてきたとか、そんなところやろう。

錦「横山くんこんな遅くまで仕事入っとったっけ」

「あ、おん……ちょっとな」

今日事務所の人らに言われたことをいつみんなに言うか。
まだなにも考えてへん。

渋「そない俺のことが好きか？」

章「だぁぁいすきぃ！しゅばもな、みんなもな……」

“しょーちゃん、だぁいすきやねん！”

ヤスの無邪気な言葉に思わずハッとする。

そうや。俺は……俺らはヤスのことが大好きやねん。
なんで、弱気になってんの。

大丈夫。
ヤスは必ず戻ってきてくれる。

錦「よ、横山くん！？」

戻ってもいい、転んでもいい。
俺らの信じた道がヤスにとっての道しるべになればそれでええねん。

張り詰めた糸が切れて、俺は涙を流してしまった。