愛されて A N G E L (青) (ページ34)

今日:5 hit、昨日:30 hit、合計:25,531 hit

Angel.34(MURAKAMI) ページ34

.

すばるとの電話が終わってから、ずっと壁にかかった時計を見上げとるヤス。

章「あ、ろくなったぁ！」

錦「それは長い針。すばるくんが言うてたのは短い針やで」

長い針って1時間ごとに6を指すやろ？
そやから、もう何遍もこのやり取りを繰り返してんねん。

章「んっ」

時計を眺めながら突然ブルっと身震いをした。

どうやらそんなヤスの様子は亮も見ていたみたいで、
2人で目を合わせる。

「章ちゃん、ちょっとこっちきてや」

章「しょーちゃんなぁ、いそがしいねん！」

時計を見とかなあかんから今は行かれへんって、
どんな言い訳やねんな……

錦「はい、こっちもおんなじ時計やで」

亮が寝室から取ってきた目覚まし時計を手渡すと、
気に入ったんかめちゃくちゃ顔に近づけて見よるねん。

章「しんちゃん、おまたせぇ」

大事そうに両手で時計を持ったまま、ちょこちょこ俺のところにやって来たヤス。

「待ちくたびれたわぁ」

って笑いながら手を引いてカーペットの上に寝転ばせる。

錦「パンツ履かせてへんくて良かったなぁ」

時計に夢中の間にズボンを脱がせると、やっぱり漏らしてもうてたらしく、膨らんだおむつが露わになる。

「せやなぁ、本人は出てもうたことにも気付いてへんし」

俺に替られてる間も時計に釘付けになっててん。
大人しいのは助かるねんけどな。

「元に戻った時に支障がでぇへんかったらええけど」

自覚のないお漏らしは後々タチが悪いねん。

錦「俺も1年間くらいトレーニングしたよなぁ」

村「そうそう、ほんまに大変やってんから」

おねしょ対策と思って使ったものを、
四六時中使用していくにはかなりの覚悟が必要やねん。

仮に気持ちは元の状態でも、身体は言うことを聞かへんからな。

「まぁ、しゃあないな。毎回掃除する方が大変や」

錦「この調子やとパンツ何枚あっても足らへんもんね」

汚したおむつを片していると、

錦「あ、章ちゃん寝そうやで……」

ヤスの顔を見ると、今にも閉じてしまいそうにゆっくりな瞬きをしていた。

「ちとお昼寝しよか」

章「………ん、だっこぉ」

眠そうに手を伸ばしてきたヤスを抱き上げて、
ユラユラと揺れれば、気持ちよさそうな寝息が聞こえて来た。