愛されて A N G E L (青) (ページ27)

今日:16 hit、昨日:30 hit、合計:25,542 hit

Angel.27(NISHIKIDO) ページ27

.

明日は俺と村上くんがお休みやねんけど、

「あのさ、章ちゃんと2人きりにしてほしいねん」

横山くんにもお願いして、
みんなにはそれぞれの家に帰ってもらうことにした。

明日は1日、章ちゃんと2人で過ごしてみたいねん。

なんとなくやけど、俺が1番章ちゃんの気持ちをわかってあげられるような気がしたから。

そっとベッドに入って、章ちゃんの隣で横になる。

その瞬間に、ぎゅっと俺の服を掴んだ章ちゃん。

「ん、大丈夫やで」

その仕草が行かないでって訴えてるように見えて
俺の方が泣きそうになった。

章「怖い………助けて……」

またや。
大人の章ちゃんの声が聞こえて、思わず顔を見る。

章「んん、」

なんや、寝言か……

でもはっきり“助けて”と言ったのは事実やねん。

章ちゃんは一体何に怯えてるん？
何と戦ってんねん。

「ずっと待ってるから、話してほしいな」

どこか寂しそうで、不安そうな章ちゃんを抱きしめたまま目を閉じた。

「………っ！」

布団の冷たさに思わず飛び起きてもうた。
恐る恐る布団をはぐると、そこには大きな世界地図。

「あちゃー……あかんかったかぁ」

一瞬、俺がやってもうたかと思ってズボンを確認してみるけど濡れてへんかったから、章ちゃんのおねしょやと理解した。

「章ちゃん、起きて」

揺さぶってみるけど、疲れてるのか全然目を覚さへん。

このままにしとくわけにもいかへんから、
とりあえず力ずくでシーツと毛布を引っ張る。

「ちょっとごめんやで」

ズボンやパンツはまだしも、背中までびっちゃびっちゃになってもうてるから、脱がすにも一苦労や。

「嘘やろ、なんで起きひんねん」

身包みを全部剥がされてもスピスピ言うとるから思わず笑ってしまった。

応急処置としてバスタオルを3枚重ねて章ちゃんの下に敷き込んで、なんとか新しい服を着せる。

「よっしゃ、これでええか」

幸いにも羽毛布団は汚れてへんから助かった…。

「あ、遅くにごめんなぁ」

章ちゃんが汚したものを手洗いしながら、村上くんに電話をかける。

「おん、そうやねん……ほんま申し訳ない」

2人きりにしてほしいと言っておきながらあれなんやけど、
どうしても必要やろうと思ったから、俺は村上くんにあるお願いしてん。