愛されて A N G E L (青) (ページ23)

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Angel.23(NISHIKIDO) ページ23

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「ただいま〜」

今日は思ったよりも早めに撮影が終わってん。

せやから1人でスーパーに寄って、
両手いっぱいに食材を抱えて帰宅する。

章「りょおぉぉ！」

玄関を開けるなり、犬みたいにトテトテ走って飛びついてきた章ちゃん。

「おっと、……どないしてん」

急すぎて、少しよろめいてしまったけど、
ひとまず荷物を置いて、章ちゃんを抱きしめたる。

章「おかえりぃ♡」

「ただいま、ええ子にしとった？」

愛くるしい笑顔ですりすりしてきよるから、もう尻尾がついてるんちゃうかって疑うくらい子犬やねん。

章「しょーちゃんなぁ、きょうおさかなさんみてん！」

そっか、すばるくんから車貸してって連絡きたから
やっぱりみんなでどっかでかけててんな。

大「あ、亮ちゃんや！おかえりぃ」

章ちゃんを探しにきた大倉に買ってきた食材を持って行ってもらって、俺はぴったり離れへん章ちゃんを抱っこする。

もう横山くん以外は帰ってきてるらしいけど、
大倉以外はみんなリビングで雑魚寝してた。

章「みんなねんねしてもうてん」

悲しそうにする章ちゃん。
なんかして遊んだろうと思ったら見たことない絵本が置いてあった。

「なあ、これどうしたん」

大「ああ、それな、今日買い物行った時に買うてん」

察しがええ大倉はキッチンに立って、
俺の買ってきた食材で夕飯の準備を始めてる。

「章ちゃん、絵本読んだろか」

章「ええのぉ？えほんさんみるぅ」

嬉しそうにする章ちゃんを膝の上に座らせてようとすると、“ちょっと待ってな”って言うて寝室に行ってしまった。

何してんねやろと思ったら……

章「このこらにもきかせたるねん！」

両手に3匹のぬいぐるみを抱えたまま走って戻ってきた。

「ええよ、ほんならみんなに読み聞かせしたろな」

章「りょお、おはなしじょーずぅ」

「そうかぁ？んー、お芝居のお仕事もしてるからかなぁ」

章「お芝居………」

あれ……
なんか今、いつもの章ちゃんが喋ったような……

「章ちゃん？」

章「んぅ？なぁにぃ？」

なんや、気のせいか。
どうやら俺の聞き間違いやったらしい。

舌足らずなお喋りで、ぬいぐるみたちに話しかける姿はどっから見ても子どもの章ちゃんやねん。

ただ、さっきの声がずっと引っかかってた。