愛されて A N G E L (青) (ページ22)

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Angel.22(MARUYAMA) ページ22

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大倉と共に信ちゃんのお説教を喰らってもうヘトヘト。

大「迫力満点やったなぁ」

「ほんまに、八重歯で斬られるか思ったもん」

ソファーでダラーっとしながらさっきのことを話してたら、
急に寝室から聞こえた信ちゃんの叫び声。

「どしたんー？」

慌てて様子を見に行くと、抱っこされたまま泣いてる章ちゃんと、半分放心状態の信ちゃんがおってん。

信「丸、とりあえず拭くもん持ってきて」

信ちゃんの一言で全てを理解した。
急いでタオルを取りに行って、信ちゃんに1枚、もう1枚バスタオルを床に敷く。

「章ちゃん、ここに立てるかな？」

章「いやぁ……ｯ、できひんのぉ….」

「すぐやから、ね？」

まあ、よく考えれば漏らしてしもうたのも原因があんねん。

章ちゃんな、帰りの車で散々飲みもん飲んでてん。

大倉が“もうやめとき”って止めてもイヤイヤ言うてカップを離さへんかったからね。

「お、章ちゃんはええ子ですねぇ」

気を紛らわすためにイヌのぬいぐるみを持たせてその間にチャチャっと後始末をする。

村「久々にやられてもうたわ」

「へ？久々って、他にやられた人がおるん？」

村「あ、いや！……昔な、あのー、弟や！弟にされてん！」

急になんやの。めちゃくちゃ慌てはるやん。

「はい、おしまいやで。お利口さんでした」

大倉たちのとこ行っときーって言うてリビングに行かせる。

それにしても、昨日から間に合わへんことが多いなぁ……
どうしたもんや……

「なぁ信ちゃん……今の章ちゃんお仕事は無理ちゃいます？」

村「せやなぁ、雑誌の撮影ならともかくテレビはあかんかもなぁ」

僕たちの前だけならまだ大丈夫やねんで？

ただ、確実にスタッフさんや他の出演者さんにも迷惑をかけてまうような気がすんねん。

「裕ちんに相談しなあきませんね」

信ちゃんと一緒に、さっき汚れたタオルや章ちゃんの洋服を手洗いして洗濯機にかける。

村「まあ、仕事うんぬんよりも、身の回りのことをちゃんとできひん間は外に出すのも危ないで」

今日のお出かけでそれは痛感した。

今の章ちゃんは“これがしたい”ってなったらその要求に応えてあげるまで全てがイヤイヤやねん。

赤ちゃんのイヤイヤ期を乗り越えてる世の中の母親は
ほんまに偉大やと思った。