愛されて A N G E L (青) (ページ20)

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Angel.20(OKURA) ページ20

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すばるくんが1番近い出口に車を回してくれて、無事乗り込む。

丸「これじゃあ外で食べるのはあかんよね」

ずっとメソメソ泣いて“お腹すいたぁ”って訴えてくんねんけど、
さすがにこの状態で外に出すのはアウトやろ。

渋「ほんならドライブスルーかなんか寄ろか？」

ってことで、某ファーストフードに向かう。

「ほら、口開けぇ」

亮ちゃんの車やから絶対汚されへん。
やから細心の注意を払ってヤスの口にポテトを運んでんねん。

章「んまぁ♡」

丸「機嫌が良くなって一安心ですねぇ」

ニコニコしながらほっぺに手を当ててるヤス。

渋「もー、ほんまにこいつ確信犯やで」

すばるくんの言う通りや。
さっきまでグズグズは一体何やってんな……

一通り食べさせたら、次はもう想像通り。

章「んぅ、」

コクコクと船を漕ぎ始めたから、
これは寝るやつやなって背中をトントンしたる。

「なあ丸ちゃん、あれ取ってぇや」

さっき買い物した袋の中からあるものを取ってもらう。

丸「はい、どうぞ」

俺に向かい合う形で眠ってんねんけど、
当たり前かのようにチュパチュパ指を吸ってるヤス。

まあ、無意識なんやろうからしゃあないんやけど。

「ほら、こっちにしとこ」

さっと指を引っこ抜いて、急いで咥えさせる。

渋「はあ？お前らそんなもん買うたんか！」

今ヤスは、されるがまま咥えさせられた“おしゃぶり”をチュッチュ吸うて眠ってる。

「ええやん、指より衛生面いいで？」

渋「あ〜あ、ヒナに怒られても知らんからな」

確かに、村上くんたちにはなんか言われんねやろうなぁ。

でも……

「かわええからなんでもいいやん」

丸「案外似合ってますもんねぇ」

もう大きさを除けば本物の赤ちゃんやねん。

　

なんとなくやけど、
徐々にヤスの“どうしたい”と“どうして欲しい”が
分かってきたような気がするねんなぁ……

渋「まあええわ、とりあえず帰ったら何を買うたんか確認する」

「丸ちゃん……」

丸「僕ら怒られるコースちゃう？」

粉ミルクしかり、思い返せば遊び半分で
あれこれ買ってもうたからなぁ……

渋「いくら使うたんや」

「い、言えません……」

あかん、これは100%説教喰らうパターンやぁ。