Angel.19(SHIBUTANI) ページ19
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一応丸との約束はしっかり守ってるようで、
俺の手を離すことは絶対せぇへんヤス。
「お、ここにお魚さんおるで？」
章「うわぁ！ほんまやぁ、おさかなさんかわええなぁ」
魚が気に入ってもうたヤスは水槽にピッタリくっついてもうて全然動こうとせぇへんねん。
せやから大倉たちは俺にヤスを預けて買い物に行きやがった。
初めはよかってんけどな、さすがに飽きるやんか。
「なぁ、アイスクリーム買うたるから休憩せぇへん？」
「あっちも行ってみたいねんけどなぁ」
「お洋服は？かわええの一緒に選んだるで？」
って言う俺の意見は全部、
章「いややの！」
の4文字で受け入れてくれへんかった。
何で子どもはこうもイヤイヤばっかりするねん……
煙草も吸えへんし、トイレにも行かれへんし。
どうしたらええねやと思うてたら、
章「しゅばぁ、だっこぉぉ……」
唐突な抱っこの要求をしてきたヤス。
「えぇ……ここじゃできひんよぉ、俺抱えられへんし」
お家に帰ったらいっぱいしたるから我慢してや？って必死にお願いをするねんけど、
章「いややぁ、いまがええのぉ！」
地団駄まで踏み出してもうて、もう俺はお手上げや。
人影も少なそうなベンチを見つけてとりあえずそこまで引きずるようにして連れて行く。
「……よっと、」
ベンチに座った俺の膝の上にヤスを乗っけて落ち着かせる。
「ほら抱っこやで？これがよかってんな？」
章「おなかすいたぁ………」
せやからさっきアイス食いに行こう言うたやんか！！
「じゃあ、メシ食いに行くか？」
章「しゅば、だっこでいくぅ？」
いやいや、そんな無茶言わんといてや……
「抱っこじゃいかれへんよ、みんなに見られてまうやろ？」
ヤスはそれが理解できてへんのか、抱っこじゃないと行かへんの一点張り。
もうにっちもさっちも行かへんからお助けの電話を掛ける。
まあ、そもそもあいつらの買い物が長いのが悪いねん。
大「章ちゃん、おいで」
やっと戻ってきた大倉たちにヤスを預けて駐車場に向かってんけど、
「その前に……」
1番行きたかった場所に直行する。
「あ〜、生き返ったぁ………」
お疲れの一服をかます。
運転もして、子守りもして……
俺、今日めちゃくちゃがんばったで？
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作者名：まある | 作成日時：2022年6月5日 0時
