愛されて A N G E L (青) (ページ12)

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Angel.12(NISHIKIDO) ページ12

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朝早いからって防音室で寝ることにしてん。
けどな、ちょっとだけ心配で部屋のドアを少し開けといた。

「ん……誰かおる」

廊下からの光がドアの隙間から漏れてきて、
それと同時に誰かが喋ってる声が聞こえてきた。

携帯で時間を見るとまだ夜中の3時半。
こんな時間に誰やねんと思って廊下に出ると、

渋「お願い、お着替えせなあかんねん、な？」

章「いややのぉ、」

イヤイヤと座り込む章ちゃんと、お願いやぁって立たせようとするすばるくんがおった。

「どぅ………ああ、やってもうたか」

どうしたん？って聞く前にその現場を見て瞬時に理解してもうた。

「ちょっと、タオルもってくるな」

急いで脱衣場に向かってバスタオルを取りに行って、
ついでに新しいスウェットも手に取る。

渋「ごめんなぁ、起こしてもうたやろ」

「ええよ、俺も章ちゃんのこと気になって寝られへんかってん」

小さく丸まった章ちゃんやけど、さすがに大人2人の力に勝てるはずもなくされるがままに立たされる。

章「ふぇぇぇぇん、ごめんなさぁいｯ」

ポロポロと涙を流す章ちゃんを見て、すごく胸が痛んだ。

「そんな泣かんでええよぉ、後ちょっとやったやんか！」

いつの日か、自分が横山くんたちにしてもらったように章ちゃんを励ます。

章「あのなぁ、まっくらさんでなぁ、わからへんかってん……」

「そうやんなぁ、真っ暗さんなのが悪いねん、章ちゃんはよお頑張りました！」

ヨシヨシと頭を撫でてあげた時には、もう章ちゃんの涙は止まってた。

渋「ほんま、助かったわ」

「全然やで、布団にされへんかっただけましや」

あれだけ泣けばやっぱり寝るのも早い。
すばるくんと2人で寝室に連れて行ったらものの数分で章ちゃんは寝てしもうた。

渋「お前はよぉ布団でしとったやんけ」

「すばるくん！もうその話はええから！」

目が覚めてもうたから、章ちゃんを挟んですばるくんと他愛もない話をする。

ちょこちょこ昔の話を掘り返してくるのは勘弁してほしいけど。

渋「うわ、もう朝やで」

カーテンの間から淡い朝日が差し込んできた。

結局ほとんど寝れへんかったわ……
すばるくんに章ちゃんを任せてベットから出る。

「あー、行くかぁ」

今日は地方で撮影やから、少し早めに家を出た。