. ページ23
.
ジェシー side
まーた樹が北斗にイタズラでもしたんだろ、なんてのんびりくつろいでたら、
北「……っ、ふぇっ……うぇぇぇんっ」
突然泣き始めちゃった北斗。
いつもなら“北斗を泣き止ませるのは樹の役目”みたいな雰囲気があるんだけど、今日はどうやら違ったらしい。
ジェ「AHAHA、こりゃまた鼻水すんごい」
北「っふぇ、ｯﾋｸ」
ペンギンのぬいぐるみを片手に俺の首に手を回してぎゅっとしがみついてくる北斗を落ち着かせるようにトントンと背中をたたいてあげる。
「ほくちゃん、急に悲しくなっちゃったの？」
北「ｯﾋｸ、ぅん……」
「そっかぁ、悲しくなっちゃったんだね」
俺はむやみやたらに話を聞いたりはしないよ。
話したくなったら北斗は自分から気持ちを言える子だって知ってるからね。
しばらくゆらゆらしながら見守ってると、次第にしゃくりは小さくなってって、俺に体を預けてきた北斗。
なんだか、じんわりあったかいや。
ジェ「北斗、眠たい？」
北「んーん、じぇちだっこ」
向かい合わせにして抱きしめると、改めて俺の体格がデカくてよかったなぁなんて思っちゃう。
ほら、樹はカリカリだからさ、俺のほうが安心感はあるでしょ？
そんなことを1人で考えてると、
北「あのね……」
北斗はポツリポツリと辿々しい言葉を繋ぎながら自分の気持ちを話し始めた。
北「あのねぇ……ほっくんね、やだったの」
「やだったの？」
北「じゅいね、たいがばっかでね」
北斗の話を聞きながら、ふと撮影のことを振り返ってみた。
“きょも、かぁいい♡”
“も〜きょもぉ、なにしてんのぉ”
たしかに、今日の樹は大我にデレデレだったような気がするかも。
って、あれ？ほくちゃんそれって……
北「じゅい、ほっくんきらい……たいがいいのっ」
最後にそう呟いた北斗は、またシクシクと泣き始めてしまった。
北「もうっ、じゅいきりゃい……」
うん、これは完璧な“jealousy”ってやつだよね笑
北「ふぇぇんっ、じゅい、ばぁかぁぁぁ」
だって、“ばか”なんて言いながら樹に買ってもらったペンギン、握りしめてるじゃん。
なぁんだよぉ、結局樹のこと大好きじゃんか。
けど、北斗にとっては初めて味わった感情だったから戸惑っちゃったんだろうね。
ジェ「まったく、ほくちゃんてば可愛いんだから」
全てを理解した俺はニヤニヤが止まんなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 668人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れい - おもしろーい 続き気になるー (2023年4月6日 13時) (
レス) @page20 id: 66ac998ffc (このIDを非表示/違反報告)
タカコ - よかったです。 (2023年3月24日 20時) (レス) @page14 id: 0a3e6a6e27 (このIDを非表示/違反報告)
莉詩奈(プロフ) - 失礼します。オ.リ.フ.ラ立っちゃってますよ！更新頑張ってください！ (2023年3月4日 10時) (レス) id: 40cb652138 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まある | 作成日時：2023年3月3日 18時
