10: ピエトロ・マキシモフ ページ10
Aが生理中らしい。ワンダが教えてくれた。
『ピエトロ、アイス食べたい。買ってきて？』
『ピエトロ、ナプキン切れた！』
『ピエトロ、レンタルしたDVD返してきてくれない？』
Aからいろんな注文が飛んでくる。
犯人はワンダだな。分かってるぞ。
きっとワンダが「ピエトロはお願いしたらなんでもやってくれるわよ」とかなんとかAに教え込んだんだ。
もちろん、大切なAのためならどこまでだって飛んでいく(正確には超俊足で走ってるんだけど)んだけど。
『ごめんね、パシリみたいにしちゃって』
頼まれたものを買ってきてあげるたびに、Aは全く反省してなさそうな顔で謝った。
いくら足が速いって言ったって走ったら人並みに疲れるんだけどな。
…別に怒ってないけどね。
お礼はもらわないと。
「Aのために走った俺に感謝はしないの？」
Aの顔を覗き込む。
『してるよ？ありがとう！死ぬほど感謝してる！』
俺と目が合ったAは慌てて目をそらす。
「お礼は？」
『え〜〜っと、私のお金で好きなお菓子買ってきていいよ！』
そんなお礼を求めてるわけじゃないんだけどな。
Aの頬を両手で挟んで僕に向き合わせる。
「いい？」
『私に拒否権はないんでしょ？』
「まあ、お礼だからね。
目、閉じて」
そんなことを話してる間にもお互いの吐息を肌で感じられるくらい顔は近づいてるわけで。
僕はそっとAの口を塞ぐ。
「僕のことパシッても構わないけど、それなりの対価は払ってもらうからね！」
Aの顔は林檎みたいに真っ赤だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
尊し - つらい。なぜ会えない。こんなの見てたら会いたくなる。なんで会えない……英語勉強しよ…… (2022年10月22日 0時) (
レス) @page12 id: 2c28363cd3 (このIDを非表示/違反報告)
ぎゃびー(プロフ) - しずはさん» あああ、かわいさをだいぶ意識していたのでとても嬉しいです！！！ (2019年9月16日 22時) (レス) id: 80d4a0e974 (このIDを非表示/違反報告)
しずは(プロフ) - みんな可愛いです...！ (2019年9月16日 21時) (レス) id: 81a936ed6a (このIDを非表示/違反報告)
ぎゃびー(プロフ) - 岡Ｐさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！キャラの書き分けが出来ていたのか不安だったのでそう言っていただけて安心しました…！！ (2019年8月17日 13時) (レス) id: 80d4a0e974 (このIDを非表示/違反報告)
岡Ｐ(プロフ) - とても面白かったです。キャラクターの個性が現れていて、胸キュンしながら読ませて頂きました。更新・新作楽しみにしています。頑張って下さい。 (2019年8月17日 1時) (携帯から) (レス) id: 8256504f4a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぎゃびー | 作成日時：2019年8月13日 1時
