重 ページ9
久しぶりの添い寝。
幼稚園の頃はよく一緒の布団でお昼寝してたなぁ〜なんて。
あぁ〜無理や。今日やばい。
ハグだっておんぶだって今この添い寝だって
流れで許されてるけど、俺の心はもう〜そろそろもたん。((
とか考えてたらやっと話し出したA。
「あのさ、」
「ん？」
「今日小瀧くんが告られてるの見てん。なんかその直後胸がぎゅっとなって。
ほんで最近部活中、小瀧くんのばしっと決まるアタック見るのが好きでな、ずっと小瀧くん目で追ってまうねん。
それで、なんか分からへんねんけど小瀧くんに話しかけられたら重と話すようには上手く話せへんくて。
自分から小瀧くんに水とか持ってく時そっけなくしちゃって。
これってなんでなん？？私、別に小瀧くんの事嫌いじゃないのに…
小瀧くんのことが好きな女の子いっぱいいるのだって知ってたのになんで今日逃げちゃったんやろ。」
またポロポロ泣き出した。
原因は小瀧、か…
お前それ小瀧にめっちゃ恋してるやんけ！
それが恋っていうんやで。
どう知らせようか…
俺はすっからかんの頭でAの心が少しでも楽になるように、俺なりに考えた。
なんで好きなやつに恋を知らせなあかんのや…
いつまでも気づいて欲しくない。
でもこのままじゃAの心がおかしくなる。Aが崩れてしまう前に言った方が…ええよな？
あぁ〜もうっ！！
「人ってそうやっていつの間にか"恋"してるんよ。」
「"恋"？」
Aはしくしく泣きながら、初めて聞いた言葉かのように呟いた。
「私って小瀧くんに恋、してるん？」
恋に気づいた瞬間のA。こんな乙女な顔、誰にも見せたくないなぁ。
恋に気づかせてあげた俺、優しすぎ。でも…
このAの恋が。
永遠に、叶いませんように…
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作者名：まいる | 作成日時：2021年8月7日 23時
