こじらせいしゅん (ページ16)

今日:1 hit、昨日:22 hit、合計:2,351 hit

望ページ16

俺はネットに手が触れた感覚を覚えていない。

ほんまに俺の手がネットに触れたのか、審判が見間違えたんじゃないか、疑いたかった。

あぁ、俺のせいで。
頭が真っ白になってなんにも入ってこなかった。

俺にパスしたセッターの先輩は俺の背中をとんとん。

聞こえてくる言葉は

「どんまい」

「大丈夫大丈夫」

「小瀧が思い詰める事ないからな。」

「しゃあないしゃあない」

そんな慰めの言葉ばっかり。

ふと我に返ったとき、何が？？と思った。

まだ泣き崩れてるだけの先輩の方が俺的には気持ちが楽やった。

何が大丈夫なん？？俺が思い詰める事ないなんて、絶対にない。俺が追い詰めるしかないやろ。

何がしゃあないことあるん。

こんなん、俺の責任でしかないやん。

みんなお前のせいでって思ってるくせに、なんで慰めるん。

なんかもう泣くことさえも出来ず、謝ることさえ出来ひんくらい余裕がなくて悲しくて、ショックで。

どうしようも無い感情に押しつぶされそうになったそんな時、神ちゃんが横に現れた。

俺の事を考えてなのかどうかは分からへんけど唯一俺を責めた神ちゃん。

責めてくれたことによって、心は少しだけ楽になった。

ありがとう。

神ちゃん…

神ちゃん、バレー辞めんといて。