重 ページ14
1点取っては取られての繰り返しの試合で見とってめちゃくちゃ面白かった。
けど最後は小瀧望のタッチネットが原因で一点取られて敗北。
見てる側も悔しすぎてほんまに見てられへんかった。
｢ちょっと横で休んでええ？今わりかしみんな散らばってるし、私もちょっとさぼらせて。」
って言うAと試合後中庭のベンチに集合してちょっと一休み。
「今日の試合めっちゃいい勝負やったな！」
見ててめっちゃおもろかったわぁ〜って声かけるんやけど、Aの顔がなんていうんやろ、複雑な顔してて。
「私も今回の試合はお互いすっごい互角やと思ったしお互いが勝てる試合やったと思うんよ。
だからこそほんまに悔しくて。」
うんうんって相づちを打つ俺の目線は少し下を向くAの顔。
あぁ、可愛いなぁ〜好きやなぁって思うのに、Aの口からでるのは、
「私、小瀧くんには自分を責めんといて欲しいな。
さっきすれ違った時も小瀧くん元気無かってん。
でも私、なんて声掛けたらええか分からへんくて…」
小瀧くん小瀧くんって。
「3年生はこれで最後やからぼろぼろ泣いてる子もいて、部員の雰囲気もちょっと悪いし。
重っ、私にできることってなんやと思う？？」
目を潤ませながら、
「重っ、小瀧くんになんか言えることある？？」
重っ、重っ、ってやっぱ俺頼られてるんかな。
俺はAの頼りになる？？
最近そんなことばかり考えてまう。
「好き。」
あれ？
口からこぼれ出した2文字の言葉。
あぁ、今まで散々言うの我慢してたのに。
こぼれ出さんように気付けてたのにな…
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作者名：まいる | 作成日時：2021年8月7日 23時
