4-2.ぶりっ子ちゃんの観察 ページ3
「気を取り直して……まずは自己紹介するね！」
包み紙の山を片付けてから、差し向かいの双葉の女子は名乗った。
「私は二年三組の
「それはもう知ってるでしょ」
「そうでしたぁ〜」
緑の芽吹きのような笑顔のもりりん先輩。おさげを編まずに結んで前に垂らしている。横髪のハネといい、前髪の間にちらちら覗く、葉っぱをそのまま貼り付けたような太い眉といい、双葉以外にも特徴的なパーツが多い。その記憶に残りやすい容姿と親しみやすい雰囲気から、さっきまであったはずの警戒心が少しずつ綻んでいった。
「ほらぁ、つぎつぎー」
隣のもりりん先輩に肘で腕をつつかれた、クールそうな女子が微かに口を開いた。
「私は
「あ〜またそうやってスカしちゃって、ホントはもっと言いたいことあるでしょうに！ 座右の銘はケセラセラとか、手の込んだお料理よりも時短ズボラ飯の方が好きとか！」
「それ全部もりりんの情報でしょ」
「そうでしたぁ〜」
必要最低限の口の動きだったが、不思議とよく通る声の泉先輩。ひし形のシルエットのボブで、毛先が跳ねている。大きい目をぱっちり開くもりりん先輩とは対照的に、泉先輩の目は半分までしか開いていない。眠たそう、というよりは少しご機嫌斜めなような印象を覚える。常に口は一文字に引かれ、眉も表情筋も微動だにせず固定されていて、感情を読み取るのは至難の業。
「二人合わせて〜〜もりりんこ！」
と、もりりん先輩が戦隊ものっぽい決めポーズを取る。一方で泉先輩は背筋がピンと伸びた綺麗な姿勢のままで、同調する意志を露ほども示さない。
「凛子もやってよぉー！ 約束したじゃん！」
「だって恥ずかしいし。ポーズダサいし」
もりりん先輩にがくがく揺すぶられても真顔を保つ泉先輩がなんともシュールで、くすりと笑った。よく見ると、二人は色違いのお揃いの髪飾りを付けていた。コントラストの激しい先輩たちだが、仲は良好なのだろう。蘭ちゃんもひとまずはむき出しの不信感を引っ込めている様子だった。
4-3.ぶりっ子ちゃんの口上→←4-1.ぶりっ子ちゃんの誘拐
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やま(プロフ) - 更新待ってます!! (2021年9月19日 18時) (
レス) id: 0eb68c7075 (このIDを非表示/違反報告)
柚子 - もえたん可愛いですね！私自身、ぶりっ子の事が嫌いまでとはいかないけど少し苦手意識があったんですが、この作品を読んでぶりっ子への意識が変わりました！ありがとうございます！これからも更新頑張って下さい！！ (2021年8月24日 1時) (レス) id: 12dcb448c9 (このIDを非表示/違反報告)
夜瑠 - 面白くて、『一周回ってぶりっ子を許せる小説』から一気見しちゃいました！！皆大好きです！！次の更新楽しみにしてます！！ (2021年7月19日 19時) (レス) id: ef33b3228d (このIDを非表示/違反報告)
桜夜桜もち - こんな一生懸命で可愛いぶりっ子なんて許す以外に方法あります…?! (2021年7月17日 15時) (レス) id: 54667db88c (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - リカさんさん» ありがとうございます！！お楽しみいただけてとっても嬉しいです！これからもぶりっ子の可能性を発掘していきます！偏見や先入観だけで片付けるには、あまりにももったいない逸材なので……！ (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆の字 | 作成日時：2020年3月30日 18時
