3-11.ぶりっ子ちゃんの一閃 ページ12
りうむちゃんの質問箱。開いてみたはいいものの、真っ白な入力欄のまま数分が経った。
書きたいことがあるような、ないような。漠然とした思考。こういう時は、いくら唸っても出ないものは出ない。本当に必要な時が来たら、書かねばならない時が来たら、吸い寄せられるように、ここに訪れることになるだろう。夏目先輩の目安箱のように。
ひとまずこれは先送りにするとして、まずは今の問題。
ぶりっ子プレゼンを成功させること。
蘭ちゃんともっと仲良くなること。
わたしたちのプレゼンは二週間後。田山君のおかげで一週間延びたのだ。だからわたしは、彼がくれたこの時間を、慈悲を、決して無下にするわけにはいかない。
絶対に――絶対に、成功してみせる。
静かに燃え盛る熱意が、思考を覆う霧を焼き払った。
すると、ひとつの可能性が発現した。これに何かを足せば、化学反応が起きるかもしれない。
それは――そうだ。さっきのりうむちゃんの動画。あのサプライズ的演出に、遊園地のようなワクワク感をくれたアクアリウム。そこでずっと、彼女と一緒に泳げたらどれほど幸せか。
ふたつの問題にりうむちゃんの部屋を紐付けた時、白い流れ星のようなものが、思考にちらついた。
『だって、もっと知りたいから……朝戸衣さんのこと』
激しい発熱を伴って、脳が震えた。
瞬間、絨毯に投げ出した体をガバリと起こし、取り憑かれたように勉強机に飛びついた。積み上げた課題を払い除け、不要になったプリントを引きちぎり、ペンケースをひっくり返した。
〜〜〜〜〜
翌朝。教室の入口に立ち止まり、中を覗き見る。案の定蘭ちゃんは黙々と勉強中。これ幸いとわたしは昨日よりも忙しい小走りでターゲットに迫った。
「こんぐらっちゅれ〜しょ〜ん！！ あなたはとってもラッキーガールでぇ〜す♪」
「え、え……？」と、当然ながら蘭ちゃんは状況が呑み込めず目を白黒させる。それに構わずわたしは彼女の席をスキップで一周し、真正面で足を止めてから、
「そんなあなたには〜」
「えいっ♪」とスカートのポケットの中身を取り出し、蘭ちゃんに見せる。
「もえもえ♡ ラッキーくじが引けちゃいまぁーす♡」
短冊形の桃色と水色のくじ。蘭ちゃんは思考を飛ばしたような顔で、ただ見つめた。
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やま(プロフ) - 面白いです、笑っちゃいました。 (2021年9月19日 13時) (
レス) id: 0eb68c7075 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - あ、真白と同一人物です！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - 思わず笑っちゃいました！しかも、なんか余計にクラスの人に�猜僂陛朖瓩辰道廚錣譴修Δ覆海箸鬚錣兇錣供帖帖帖帖�この小説凄く面白いです！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - 真白さん» ぶりっ子についてプレゼンする人なんてそうそういないですよね（苦笑） (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» ありがとうございます！！一人一人の登場人物をこんなに丁寧に見てくださって本当に嬉しいです！（いつか名前も覚えていただければ大変恐縮です！）りうむちゃんのことも好きになってもらえて嬉しいです、ぜひ推してあげてください！ (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆の字 | 作成日時：2019年12月7日 15時
