3-2.ぶりっ子ちゃんの逡巡 ページ3
軽やかなステップを踏み、ツインテールを弾ませて教室に舞い込んだ。わたしの友達はすでに来ていた。廊下側の最後列の端っこで、存在感を消して熱心に勉強をしている。
今日の占いは一位だった。しかもラッキーアイテムは眼鏡だ。きっと今日は友達との距離が縮まる幸せな日になる。だって、席替えで友達と隣の席にしてくれた例の占いが言うのだから、そうに違いない！
てててっと可愛らしい小走りで近づくと、小さく肩を揺らし、すぐに手を止めて顔を上げてくれた。
眼鏡の向こうの目と合う。自信がなさそうだけど、どこか緩く喜色を帯びたような――来てよかったと思える眼差しをわたしに注いでくれた。
言わなきゃ。今日こそは。でも……ああ、もう、まただ。事前にイメトレしてきたのに、言う言葉は頭にあるのに、それが喉まで出かかっているのに――声が出ない。蘭ちゃんって言うんだ、蘭ちゃんって言うんだって脳がやかましく司令を出しているのに、その呼吸に声が伴わない。
二の足を踏んでいる内に、友達が遠慮がちに口を開いた。しまった、これではまた同じパターンに――！
「お、おはよう……朝戸衣さんっ」
……また今日も、先手を打たれた。
「お、おはようっ塒さん♡ 今日も、お天道様がニコニコだね♡ もえたんもニコニコしちゃう♪」
朝戸衣さんと呼ばれてしまえば、蘭ちゃんと呼べるチャンスがいよいよ潰える。悔しい。せめてここでは、これからは蘭ちゃんと呼ぶことにする。
蘭ちゃんは心配そうにわたしの顔を窺った。ここで初めて、ぼうっと立ち尽くしていたことに気づき、慌てて話題を作ってごまかした。
「え、えっとぉ〜……あっ！ 朝からお勉強なんて偉いねっ♪ 何のお勉強してるのぉ？」
「一限の、英語の小テストの勉強……いつもより難しいぞって、大谷先生が言ってたから、やらないと不味いかなって……」
――しまった。なんてことだ。
「忘れてたーーっ！！」
ほぼノー勉の結果、15点満点中2点といういつも以上に悲惨な結果に終わった。
わたしは真のぶりっ子を追究するあまり学力を捨ててしまった馬鹿者だ。このままでは本腰を入れないと、一学期の悪夢が再来してしまう。
まあ、だからといって勉強しなきゃという気が起きるわけではさらさらないので、わたしの憧れのぶりっ子、
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やま(プロフ) - 面白いです、笑っちゃいました。 (2021年9月19日 13時) (
レス) id: 0eb68c7075 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - あ、真白と同一人物です！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - 思わず笑っちゃいました！しかも、なんか余計にクラスの人に�猜僂陛朖瓩辰道廚錣譴修Δ覆海箸鬚錣兇錣供帖帖帖帖�この小説凄く面白いです！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - 真白さん» ぶりっ子についてプレゼンする人なんてそうそういないですよね（苦笑） (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» ありがとうございます！！一人一人の登場人物をこんなに丁寧に見てくださって本当に嬉しいです！（いつか名前も覚えていただければ大変恐縮です！）りうむちゃんのことも好きになってもらえて嬉しいです、ぜひ推してあげてください！ (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆の字 | 作成日時：2019年12月7日 15時
