―抜毛症― ―N×S― (ページ10)

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■―１０―　ページ10

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翔「あー…もう！最悪っ…

帰りが遅くなった…予習する時間

あんま取れないじゃん…。本当に最悪っ」

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家に着いて

ブツブツと不満を呟きながら

鍵を開けて、家の中に入った

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俺が暮らしてるのは

…まぁ、俗に言う高級マンション

そこの最上階。それなりに良い生活してる

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翔「…ただいま………」

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家に帰ってリビングに入ると

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「お帰りなさい、翔

今日は少し遅かったわね………」

翔「あぁ…母さん、帰ってたんだね

今日は、早く帰れるって思ったのに

撮影機材のトラブルのせいで遅くなったんだよ」

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普段は仕事が忙しいせいで

基本的にあまり家にいない母さんが

珍しく家にいた

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だからって別に―――――――――…

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翔「母さん、今日…テストが返ってきたよ

もちろん。また満点だったけど」

「そう。本当にすごいわね、翔

いつもいつもトップじゃない」

翔「…まぁね。ってか

これくらい…当然の事だから……………」

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たいして話す事もない

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「この調子で次も、がんばってね」

翔「うん…わかってる

てゆーか、次も絶対トップ取るから…」

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あぁ…俺、何言ってんだろう？

こんな見栄張って

自分で自分にプレッシャーかけて、どうすんだよ

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期待されるのは、良い事

すっごく嬉しい事だって

それはわかってるはずなのに………

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なのに

周囲から期待されれば、される程

プレッシャーを感じて

時折、押しつぶされてしまいそうになる時がある

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翔「…ちょっと、父さんのトコ行ってくる

この答案、見せないといけないから」

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そう言って

テストの答案を持って、リビングを出て

向かいの和室へ

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