第捌十伍話 ページ23
志々雄がAの腹を貫いた時、Aを殺 す気はないのだとわかった。
いや、正確には『殺 せない』のだと。
ワザと急所を外し、トドメもささなかった。
貴方「…あなたも緋村さんと同じ人斬り…。そして同じように、甘いんですよ」
志々雄「…甘いだと？」
志々雄は貫かれたまま微動だにしない。
貴方「だって、本当に私を殺 したいと思っているなら、
兄さんのことなんか放っておいて、さっさと私を殺 した筈でしょう？」
志々雄「…そうか、甘ぇか…。だがな…」
志々雄はそっと目を伏せると、
腹に刺さった刀を引き抜いてAを蹴り飛ばした。
貴方「っ…！」
志々雄「今のお前に俺を殺 すほどの力はねぇ。
それはお前自身も十分過ぎるほどわかっている筈だ」
腹から噴き出る血をもろともせず志々雄は話し続ける。
志々雄「俺はお前に興味がある。だから殺 さねぇだけだ。
用済みになりゃ、いつでも殺 してやる」
志々雄の言葉が途切れると同時に、
扉の外から聞き覚えのある声がした。
？「地獄から蘇った悪鬼とも呼ばれる貴様も、
そんな小娘一人に固執するなど所詮は人間だな」
直後、闘技場の扉が破られ、
牙突の構えをとった斎藤が姿を現す。
斎藤「志々雄真実、その首貰った！！」
左之助「斎藤！！！」
斎藤は牙突を志々雄の額に向けた。
しかし志々雄はそれをもろともせず、
斎藤の脚に太刀を浴びせる。
斎藤「ちっ…」
斎藤は反動で後退し、志々雄と距離を置く。
志々雄はそれを見て不敵な笑みを浮かべ、
牙突を食らった額の包帯を破り、鉢金を見せつけた。
志々雄「…十年前のあの日、不意打ちを額に食らい、
昏倒したところに火をつけられた…。
だから同じ轍を踏まねえようここだけは重点的に固めてある。
調べが足りなかったな、斎藤一」
貴方「…斎藤さん、脚……！」
Aの視線の先にあるのは、
先ほどの宇水との戦いで負った斎藤の脚の傷。
そこに更に志々雄の傷が刻まれている。
志々雄「その足の傷は宇水がつけたものだと思うが、それで牙突を撃つとは大したものだ。しかし今ので最後…打ち止めだ」
志々雄は一歩ずつ、斎藤に歩み寄る。
斎藤「言った側からまた油断か？阿呆が！！調べが足りぬのは貴様の方だ！」
斎藤が繰り出すのは牙突零式。
真っ直ぐに志々雄の心臓を狙っている。
鮮血が舞った。
しかしそれは志々雄のものではなく…
志々雄「油断？何のことだ？…これは『余裕』と言うもんだ」
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雪華 - お願いあるんだけど良いですかな?るろうに剣心の張×女体化そうじろうの恋愛長編を作って貰いますかな?始まりの出会いは幼少期で志々雄を出会う前で (2018年10月27日 22時) (
レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます(≧∀≦)面白かったです(≧∀≦)続きが、すごく気になります(≧∀≦)これからも、頑張って下さい(≧∀≦) (2018年4月7日 0時) (レス) id: e4c62973b8 (このIDを非表示/違反報告)
陵華(プロフ) - ROM民さん» はじめまして。編集時に外すのを忘れていました。ご指摘ありがとうございます。 (2015年10月25日 12時) (レス) id: 032aeb8e0f (このIDを非表示/違反報告)
ROM民(プロフ) - はじめまして。「オリジナルフラグ」が外れていませんよ。二次創作ですので、住み分けにご協力お願いいたします。 (2015年10月25日 12時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陵華 | 作成日時：2015年10月25日 0時
