第捌十参話 ページ21
Aは左之助の心中を察しているようだった。
自分が死の瀬戸際にいるというのに、人の心配をする。
貴方「大丈夫、私は…死なない……」
途切れ途切れに言葉を口にするA。
ふとAの腹を見ると、出血がおさまってきている。
貴方「これの……おかげかな……」
スッとAが差し出したのはヒビ割れた鞘。
志々雄に貫かれるその刹那、
咄嗟に自らを守るように鞘を構えたのだ。
それは宇水との闘いで斎藤が捨てた鞘。
まさかこんなところで命を救ってくれるとは思わなかっただろう。
貴方「それに、急所はハズされたみたいだから……大丈夫」
左之助「けど、ケガしてることに変わりはねぇ。
闘いが終わったらすぐ医者に連れて行ってやる」
貴方「……うん」
志々雄の眼がちらりとAを捕らえる。
志々雄「理解はできていても納得はできねぇ…か。
そんな頭の悪さじゃ人斬り抜刀斎の雷名も、今に地に堕ちると言うもんだ」
言いながら切っ先を地に滑らせる志々雄。
その切っ先が走ったところにチリチリと火花が散る。
そして剣心と目が合った。
志々雄「みっともない生き恥晒すより、
あんたはここいらで華々しく散った方がいいと思うぜ！」
またも無限刃が炎をまとった。
志々雄「そうすりゃ俺が作る新しい歴史の中に、名前ぐらいは残してやるぜ！！」
そう叫びながら振るう刀身を、剣心は腕で受け止める。
炎をまとった無限刃の熱に顔を歪ませるが、動じない。
剣心「お前の作る歴史にも今の歴史にも、拙者の名を残す気などござらん。
残したく思うは動乱の果てに訪れたこの平和の世唯一つ！！」
剣心の振るう逆刃刀が志々雄の脇腹を捕らえる。
しかしそんな攻撃をもろともせず、志々雄はニヤリと笑った。
志々雄「せっかくの人の忠告も聞く耳持たずかよ。
じゃあ仕方ねぇ！俺がすっぱり散らしてやるぜ！！」
志々雄は凄まじい速さで剣心に刀を浴びせた。
一撃ではない。何度も、何度も。
身体の至る所から血が噴き出る。
膝から力が抜けたところを志々雄は見逃さない。
剣心の胸倉を雑に掴むと、グッと持ち上げた。
志々雄「倒れるにはまだ早いぜ、先輩。
言ったろ、華々しく散った方がいいってよ」
剣心の胸倉を掴む右手の手甲からはかすかに火薬の匂いが漂う。
そしてその手甲に無限刃を擦った。
激しい炎が現れたかと思えば、爆発し、剣心を吹き飛ばしたのだ。
それは志々雄真実の弐の秘剣、「紅蓮腕」。
剣心は意識を失い、そのまま動かなくなった。
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雪華 - お願いあるんだけど良いですかな?るろうに剣心の張×女体化そうじろうの恋愛長編を作って貰いますかな?始まりの出会いは幼少期で志々雄を出会う前で (2018年10月27日 22時) (
レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます(≧∀≦)面白かったです(≧∀≦)続きが、すごく気になります(≧∀≦)これからも、頑張って下さい(≧∀≦) (2018年4月7日 0時) (レス) id: e4c62973b8 (このIDを非表示/違反報告)
陵華(プロフ) - ROM民さん» はじめまして。編集時に外すのを忘れていました。ご指摘ありがとうございます。 (2015年10月25日 12時) (レス) id: 032aeb8e0f (このIDを非表示/違反報告)
ROM民(プロフ) - はじめまして。「オリジナルフラグ」が外れていませんよ。二次創作ですので、住み分けにご協力お願いいたします。 (2015年10月25日 12時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陵華 | 作成日時：2015年10月25日 0時
