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第漆十陸話 ページ14

ようやく、剣心と左之助は行き止まりの扉へ辿りついた。
力任せにその扉を破り中へ入ると。

由美「遅いじゃないの、待ちくたびれたわよ。
志々雄様は闘場でまっているわ。ついてらっしゃい」

由美が二人を迎えた。
しかし室内にAの姿はない。

左之助「Aは…!?Aはどこでぇ!!」

由美「志々雄様のところにいるわ」

淡々とただ答えるだけの由美に苛立ちながらも、
剣心に先へ進むよう促そうとした…。
だが。

左之助「おい!剣心!!」

剣心は大量に血を流している。
左之助の声に対する返事すらままならない。

剣心「…大丈夫でござるよ」

由美「だいぶお疲れのようね。…なんならどう?
あなたたち二人、ここで見逃してあげてもよくてよ」

由美は突然そのようなことを言い始める。
由美が志々雄を慕っているのとは別の理由で、
志々雄と剣心が闘うことを良く思っていないようだ。

もちろん二人はそれを受け入れない。
そして三人はさらに奥へと進んでいく。

由美「この扉の向こうが志々雄様専用の闘場、大灼熱の間よ。
これを開けたら最期。もう逃げ場はなくてよ」

取っ手を引くと、けたたましい音と共に巨大な扉が開く。

その奥にさらに扉があり、扉へと続く橋が架けられている。
断崖絶壁の中腹の闘場。
それを囲うように立てられた篝火は石油を燃やしているようだ。

奥の扉がゆっくりと開かれる。
そこに立つのは志々雄真実、佐渡島方治、そして…

左之助「A…!」

貴方「…」

Aは左之助と一瞬目が合ったが、すぐに逸らしてしまう。
その間に由美は志々雄に歩み寄り、懐中時計を手にする。

由美「…志々雄様…、闘いに興じる余りお忘れなく…。
どうか、御自愛を…」

由美の言葉を遮るように、志々雄は由美に口付けた。
心配せずとも大丈夫だ、とでも言うように。

貴方「…志々雄」

志々雄「…フ…、わかっているさ。存分に暴れな、A」

Aはゆっくりと剣心に向き直る。
そしてそっと刀に手をかけた。

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設定タグ:るろうに剣心 , 抜刀斎   
作品ジャンル:アニメ
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雪華 - お願いあるんだけど良いですかな?るろうに剣心の張×女体化そうじろうの恋愛長編を作って貰いますかな?始まりの出会いは幼少期で志々雄を出会う前で (2018年10月27日 22時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます(≧∀≦)面白かったです(≧∀≦)続きが、すごく気になります(≧∀≦)これからも、頑張って下さい(≧∀≦) (2018年4月7日 0時) (レス) id: e4c62973b8 (このIDを非表示/違反報告)
陵華(プロフ) - ROM民さん» はじめまして。編集時に外すのを忘れていました。ご指摘ありがとうございます。 (2015年10月25日 12時) (レス) id: 032aeb8e0f (このIDを非表示/違反報告)
ROM民(プロフ) - はじめまして。「オリジナルフラグ」が外れていませんよ。二次創作ですので、住み分けにご協力お願いいたします。 (2015年10月25日 12時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:陵華 | 作成日時:2015年10月25日 0時

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