遅すぎた/rbr ページ9
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家に幽霊がいる。
いや、なにか幻覚が見えているかとかではなく、本物の幽霊。
その証拠にその幽霊はほぼ毎日、ポルターガイストを起こす。二度寝してしまった早朝に目覚ましをけたたましく鳴らしたり、電気を勝手に消したり。意外と役に立っている。
これがただひたすら物を無意味に落としたり、電気代がかさむようなことをするのだったら、速攻お祓いに行っていた。結構いい感じに同居出来ている。
しかしその幽霊に対して一点不満がある。歌うのだ。
別に歌うのは構わないのだが、いかんせん下手くそなのだ。ポルターガイストより高い頻度で俺に下手くそな歌を聞かせてくる幽霊。音程の外れた、音痴ともいえる歌声。
音感持ちでなくとも外れていると分かるその歌声は、人間の声じゃないからなのか、それとも単純に下手くそすぎるのか、いつまで経っても慣れなかった。
そんなある日、大先生が幽霊に命を狙われるという事件が起こった。なんやかんやあって、俺の彼女は幽霊だったわ踏み台にされるわ、大先生とはキスするはめになるしで、良いことなんて何一つなかった。
幽霊なんてロクなものではないと、その日は姿も見えないくせにあの幽霊とも会いたくないとトントンの家に泊まった。
トントンにその幽霊のことを相談したら、琵琶湖の母に訊いてみればいいと言われた。
確かに幽霊の姿は見たことがない。声的に女の子なのは分かるが、そこまでだった。
翌日になり、琵琶湖の母に訊いてみる。どうやら俺には憑いていないらしいから、家に憑いているのだろう。地縛霊なん？ 事故物件やん。
「た、ただいまー」
住み慣れたはずの我が家なのに、少し遠慮してしまう。
ここに帰ってくる前に、琵琶湖の母にこう言われた。
今までの行動を鑑みるに、少なくとも敵意はない。むしろ好意的だから一度対話を図ってみて、自身にとり憑かせたりすればこっちで観測出来る。
どこにいるか分からない幽霊に話しかける。端からみたら虚空に話しかけている変態だ。
「なあ、どこかにいるんやろ。いつも歌ってる子。ちょっと話がしたいねん、出てきてくれん？」
霊だと直接的な表現をしなかったのは、もし自覚がなかった場合地雷を踏む可能性があったからだ。大先生という事例がある通り、幽霊は俺を殺そうと思えばいつでも殺せる。つまり、いま俺はビビり散らしている。
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脳内お花畑(プロフ) - ざらめさん» ありがとうございます！お褒めのお言葉嬉しいです！赤いくつの続きですね！お時間いただきますが是非書かせてください！！ (2020年12月10日 2時) (
レス) id: 1816461051 (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ - あの、凄く好きです！どのお話しも内容が深くて、展開が読めずいつもドキドキしながら読ませて頂いてます！中でも「赤いくつ」が大好きなのですが、もしよろしければ続きを書いて頂けないでしょうか...？長々と申し訳ありません。これからも応援しています！！ (2020年12月10日 0時) (レス) id: e42013c8e8 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - 森安里さん» コメントありがとうございます！狙い通りぞわってなってもらえたようで良かったです！！お褒めの言葉嬉しいです！！ (2020年11月19日 18時) (レス) id: 1816461051 (このIDを非表示/違反報告)
森安里(プロフ) - 蛇足で鳥肌が立ちました。最高です。ありがとうございます! (2020年11月19日 16時) (レス) id: 0d0cef0762 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - Qさん» ありがとうございます！！掛け持ちをしているので更新頻度はあまり高くないのですが、どうぞよろしくおねがいします！ (2020年9月27日 21時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：脳内お花畑
| 作成日時：2020年9月26日 15時
