勝手な行動はご法度/shp ページ25
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夢から逃げた。夢なんてなかった。
なにもかもをリセットして、ひたすら走る。
あの男から一刻も早く距離をとって、どこか遠いところに逃げなければならなかった。
裸足だから足は傷だらけだ。しかしそんなことも気にならないくらい、私は切羽詰まっている。
もう脱走のチャンスはない。今回捕まれば二度と日の目を浴びることは出来ないだろう。
きっかけはあいつの家に誘われたことだ。
あいつはいつの間にかおかしくなっていて、それをおくびにも出さず私を閉じこめる算段をつけていた。
何も知らない私は、まんまとあいつの策に騙されて今の今まで閉じこめられていた。
今日やっと逃げ出せたのだ。絶対に逃げきらないと酷い目にあう。
走りながら考える。あいつが来れないところ。そんなの一つしか思いつかなかった。
川のせせらぎが聞こえる。まあまあな勢いのある川に沿いながら走る。
向かう先は橋だ。もう少ししたら橋がある。そこから飛び降りて、この世からおさらばしてしまえばいい。
死ぬのは怖いが、それ以上にあいつが嫌だ。
あいつに捕まったら、きっと死ぬより酷いことをされる。
どうせ捕まるのも時間の問題なのだ。それなら絶対捕まえられないところにいかなくては。
橋が見えた。人影が見えるが致し方ない。目の前で人が飛び降りるところを見せてしまうが、どうか許してほしい。
しかし近づいて気づいた。私はこの人影を知っている。
「なにしとるん？」
「……ぁ、なんで、」
なんでこいつがここにいるの。
感情のよめない瞳でこちらを見つめるショッピは、私を閉じ込めていた張本人だ。
「質問しとるのはこっちやねんけど」
寄っかかっていた柵から離れて、私に近づいてくる。一歩下がる度に、一歩近づかれる。
「勝手に死んでいいって誰が言ったん？」
なんで私がやろうとしていたことを知っているの。
悲鳴と嗚咽しか口から漏らせない私を、ショッピは温度のない目で見る。
「なあA」
疲労と恐怖で腰が抜けて、地面に座り込んでしまう。立ちたくても、足が震えてうまく立てない。血だらけの足が痛い。
「答えろや」
「ごめ、ごめんなさい！ 許して！」
なんとか謝罪を絞り出すも、ショッピの機嫌は戻らない。
「別に謝罪は要らんねん」
ショッピは座り込む私を無理やり立たせて、腕を強く掴んで引っ張る。
振りほどくことも出来ずに連れられるが、この方向は私を取り込めていた家だ。
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脳内お花畑(プロフ) - ざらめさん» ありがとうございます！お褒めのお言葉嬉しいです！赤いくつの続きですね！お時間いただきますが是非書かせてください！！ (2020年12月10日 2時) (
レス) id: 1816461051 (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ - あの、凄く好きです！どのお話しも内容が深くて、展開が読めずいつもドキドキしながら読ませて頂いてます！中でも「赤いくつ」が大好きなのですが、もしよろしければ続きを書いて頂けないでしょうか...？長々と申し訳ありません。これからも応援しています！！ (2020年12月10日 0時) (レス) id: e42013c8e8 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - 森安里さん» コメントありがとうございます！狙い通りぞわってなってもらえたようで良かったです！！お褒めの言葉嬉しいです！！ (2020年11月19日 18時) (レス) id: 1816461051 (このIDを非表示/違反報告)
森安里(プロフ) - 蛇足で鳥肌が立ちました。最高です。ありがとうございます! (2020年11月19日 16時) (レス) id: 0d0cef0762 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - Qさん» ありがとうございます！！掛け持ちをしているので更新頻度はあまり高くないのですが、どうぞよろしくおねがいします！ (2020年9月27日 21時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：脳内お花畑
| 作成日時：2020年9月26日 15時
