君の声はとても優しい ページ11
「お湯頂きましたー……って、Aさん!? 大丈夫ですか!?」
「あー……うん……だいじょうぶー……」
冷たい床に寝転がっていると、ホクホクと湯気を纏ったそうびちゃんの姿が見えた。
まだ濡れているせいか、長い髪が彼女の白い肌に張り付く。その様が、何時もはない妖艶さを放っていた。……が、今の僕に、彼女の姿を見惚れる体力はない。
「……今日は、桃花ちゃんが本当にごめんなさい」
「あー、いや……結構色々あったけど、桃花ちゃんとは仲良く出来たと思うよー」
桃花ちゃんの話は、漫画の話、大佐の話ばかりだったが、元の世界に帰る有力な情報も手に入れることが出来た。
そうびちゃんのお母さんのように、別の世界からこの世界に渡ってきた人が居ること。そして、世界を渡って商売をする人たちが居ること。そろそろ、その人たちはこの土地にやってくるそうなので、見かけたら連絡すると約束してくれた。急に異世界を渡った僕に気遣ってもくれたし、とても良い子だと思う。……今度、彼女と話すためにも、あの漫画を読んでおこう。そう心の中で決意した後、僕は彼女の髪に手を伸ばした。
「髪濡れたままじゃ、風邪ひくよ。乾かしてあげる」
「え、髪ぐらい自分で乾かせます!!」
「ダメだよ。こんなに長くて量が多いんじゃ、自分じゃ大変でしょ。髪は引っ張らないようにするから」
幼く見えるとはいえ、彼女も僕と同じ年の女性だ。異性に髪を乾かされるのには、抵抗があるのだろう。けれど、こうまで長いと、後ろまでちゃんとやるのは大変だ。
ドライヤーで髪の根本を乾かして、後は乾いたタオルで毛先の方の水分を拭き取る。
「……やっぱり、そうびちゃんの髪は綺麗だね」
「そ、そうですかっ。と、というか、Aさん、な、慣れてますね」
「うん。妹の世話でちょっとねー……」
はいおしまい、お疲れ、というと、そうびちゃんは、「今度は私がAさんの髪を乾かします」と言いだした。
いや、僕がお風呂に入ったの、そうびちゃんより前なのだけど。流石にもう乾いているよ、というと、じゃあ、タオルで拭くだけでもいいんです、という僕には理解不能な返事が返って来た。断ることも出来たけれど、彼女は僕の家主だ。ここは一つ、彼女の言い分を受け入れるべきではないかと思った。
こわごわと、彼女の小さな手が僕の髪の毛に触れた。……なるほど、これは確かに恥ずかしい。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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- 全体運: ★★★☆☆
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The Freedom.(プロフ) - 火矢 八重さん» はい、頑張って下さい! (2014年4月20日 21時) (レス) id: b11641b752 (このIDを非表示/違反報告)
火矢 八重 - The Freedom.さん» 忘れませんよ、あの作品でたった一人コメントしてくださったんですから!w うお!? 期待されてる私!? じゃあどしどし作品作らないと!! コメントありがとうございますた! (2014年4月20日 20時) (レス) id: fc178a757e (このIDを非表示/違反報告)
The Freedom.(プロフ) - 火矢 八重さん» あ、覚えていてくれたんですね!嬉しいです!いやあ、覚えて無いかな〜と思って一応初めましてからにしたんですよね…;;また他の作品も沢山見に行きますね! (2014年4月20日 20時) (レス) id: b11641b752 (このIDを非表示/違反報告)
火矢 八重 - The Freedom.さん» うお!? 五か条読んでくださった方ですね!? こちらの作品も読んでくださりありがとうございます!! 私も、この後腐れないあっけらかんとした終わりが気に入っているので、凄く嬉しいです! こちらこそ、ほんとうにありがとうございました!! (2014年4月20日 19時) (レス) id: fc178a757e (このIDを非表示/違反報告)
The Freedom.(プロフ) - 初めまして!完結おめでとうございました( ´ ▽ ` )。作者さんのこの作品、読むたびに惹きこまれていきます。個人的に終わり方が特に好きです。素晴らしい作品を読ませて頂き、ありがとうございました! (2014年4月20日 19時) (レス) id: b11641b752 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:火矢 八重 | 作成日時:2014年2月15日 20時