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本好きな僕にとって、これほど良い偶然はなかった。こんな素敵な屋敷が図書室なんて、嬉しすぎて頭がボーっとしてきた。大げさだと思われるかもしれない。けれど、僕は小さい頃からの夢を手に入れたようなものなのだ。これだったら誰だって僕のようになるだろう。
どんな人が司書をしているのだろう。どんな本があるのだろう。夢心地のまま、僕はしっかりした作りになっている扉を、力を込めて慎重に開けた。
……壁一面が本だなんて、誰が考え付くだろうか。
本当に、比喩無しで本が一面溢れかえっていた。それでも本は溢れていて、床にいくつか重ねられた本の塊がまだらにある。それでも歩けるのは、ひとえにこのお屋敷が広いから。
中央には、カウンターと思われる机があり、そこには女の子が座っていた。
女の子。
まだ、十四か十五じゃないだろうか。多分、僕よりも幼い外見をした少女は、とても美しかった。真っ直ぐで絹のようにサラサラとした黒い髪で、少したれた目は、ビードロのように透明で、澄み渡っていた。そんな少女が本を読んでいると、まるで小説の一場面に立ち寄っているかのように思う。
少女は僕に気づかない。よほど本に集中しているみたいだ。僕は構わず、本棚を見渡した。
あれ程幼いと、司書には見えないし、僕が勝手に本を読みだしても、図書室で不法侵入や盗難の疑いをかけられることはないと思ったからだ。
僕は早速、手が届く本棚から一冊、背表紙に手を付けた。
小説から専門書、詩集などを手に付けて、そろそろ十冊目に渡るかと思ったその時、あの、と可愛らしい声が、深い集中力に沈んでいた僕の頭を覚ました。
後ろを振り向くと、そこにはさっきの女の子が、躊躇いがちに僕の肩に手を置いていた。
「本を読んでいた最中でしたので、挨拶もろくにいたしませんでした。ごめんなさい」
急に謝られて、なんのことやらサッパリわからない僕は首を傾げた。すると女の子は、急にあわあわと口を開けたり閉めたりし始めた。
「えっと、お気になされてなかったのなら、それでいいのですが、あの、でしたら本をお読みになっている最中に話しかけてすみません」
更に謝られた。やっぱり何のことで謝られているのやら判らない僕だったが、これ以上追及するとこの女の子が困りそうなことが判ったので、いいですよ、と返しておいた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
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西 - この方角に福があるはずです
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The Freedom.(プロフ) - 火矢 八重さん» はい、頑張って下さい！ (2014年4月20日 21時) (
レス) id: b11641b752 (このIDを非表示/違反報告)
火矢 八重 - The Freedom.さん» 忘れませんよ、あの作品でたった一人コメントしてくださったんですから！ｗ うお!? 期待されてる私!? じゃあどしどし作品作らないと!! コメントありがとうございますた！ (2014年4月20日 20時) (レス) id: fc178a757e (このIDを非表示/違反報告)
The Freedom.(プロフ) - 火矢 八重さん» あ、覚えていてくれたんですね！嬉しいです！いやあ、覚えて無いかな〜と思って一応初めましてからにしたんですよね…;;また他の作品も沢山見に行きますね！ (2014年4月20日 20時) (レス) id: b11641b752 (このIDを非表示/違反報告)
火矢 八重 - The Freedom.さん» うお!? 五か条読んでくださった方ですね!? こちらの作品も読んでくださりありがとうございます!! 私も、この後腐れないあっけらかんとした終わりが気に入っているので、凄く嬉しいです！ こちらこそ、ほんとうにありがとうございました!! (2014年4月20日 19時) (レス) id: fc178a757e (このIDを非表示/違反報告)
The Freedom.(プロフ) - 初めまして！完結おめでとうございました( ´ ▽ ` )。作者さんのこの作品、読むたびに惹きこまれていきます。個人的に終わり方が特に好きです。素晴らしい作品を読ませて頂き、ありがとうございました！ (2014年4月20日 19時) (レス) id: b11641b752 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：火矢 八重 | 作成日時：2014年2月15日 20時
