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渡された分厚い封筒を腕に抱えながら、畠はよたりよたりと帰路につく。骨が折れていると、内臓が傷んでいると言われた。入院するべきだとも。治療費は研究者たちが払ってくれると言っていた、けれど早く帰らなければならないという強迫観念が頭を占めていた。正常に頭が回らない。いやそもそも、怪我をする前から、正常になんてなれていなかった。ずっと前から、最初から自分はおかしくて、異常者だったのだ。加えて犯罪も犯してしまった。何回もものを盗んだ。生きるために必要ではない、ブランド品や嗜好品までも盗まなければならなかった。生きるために必要なものだから盗んでいいなんて、そういうわけではないけれど、でも……。
ふと己の両手を見つめて、畠は息を呑んだ。
真っ黒だった。酷く汚れていた。気持ち悪かった。慌てて服でこすっても取れない。がりがりと血が出るまで引っ掻いても取れない。コンクリートの地面に擦り付けても、赤色ばかりが伸びていき黒は一向に取れない。
周りの通行人の手を見た。しかしその手は真っ白だった。
全身が痛みを訴える。すれ違う人々が怪訝そうに畠を見る。許しを請うために地面に擦り付けた頭が、叫び過ぎた喉が痛い。汚れきった手が、痛い。

畠は地面に崩れ落ち、恥も外聞もなく泣き喚いた。








家に着くなり畠は、両親に封筒を差し出した。そして告げた。「これでおれと縁を切ってください」と。
両親は喜んで承諾した。あんな笑顔を見たのは、生まれて初めてだった。



そして畠は、戦闘組織に入ることを決める。
死に場所を探すためだった。


(敵と戦って、ヒーローとして死ねるなら最高だろう?)



【関係】
従者、恋人は素敵なご縁がありました!他にも畠が心を開いている人間や、畠にちょっかいをかける人間など、その他どんな関係でも募集しております…!

【NG事項】
過度なキャラ崩壊、関係外カプなど。
他にも思いつき次第追加していきます。

関係→←*



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この作品の元となった作品:【アルバの箱庭】隊員名簿【ここに名前】
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作者名:龍之介 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年9月4日 22時

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