化け物が百二十四匹。 ページ37
＊
「Aくん！一緒にご飯食べよー！」
職業体験先をエンデヴァーのとこにして、轟にブチ切れた次の日。
午前の授業という名の睡眠時間が終わった瞬間、チビが俺に寄ってきた。しかも気持ち悪ィ笑顔を浮かべながら。
「……」
俺は何か言うのも面倒になって、一つでかい欠伸をしてからスタスタと教室の出口に向かって歩く。
するとチビは「ちょ、ちょっと待ってよ！」と俺の目の前にやってきて道を塞いだ。
「邪魔だ退けや」
「いや、一緒にご飯食べよ？ね？」
「……俺は！昼飯は！食わねェ主義だって！言っただろうが！！ちょっと前に言ったばっかだぞテメェんなことすら覚えられねェのかよ鳥頭！！」
「う、覚えてるよ！でも君、食べられないわけじゃないんでしょ？目の前に出されたら食べるんでしょ？」
「だったらなんだっつーんだよ！！まさかテメェが俺に飯奢るってか？！」
俺の怒鳴りにチビは一瞬目を輝かせて、その後ひょいと背中の後ろから風呂敷みてェなモンを出す。
その行動にそういえばコイツさっきから両手背中に隠してたな、とどうでもいいことを考えながら首を傾げた。
「あ？」
「流石に奢るんは無理だけど、作るぐらいならできるなって思って。これ、Aくんに！」
「……は？俺に？」
「そう！君に！ね、だからいいでしょ？一緒にご飯食べよ！」
デクくん待ってるから早く！とチビは偉そうに俺を急かすと、無理やり俺に風呂敷を押し付けてたたたと走って教室を出て行く。
「はぁ？！何勝手にッ、てオイ！！待ちやがれクソ野郎！！」
押し付けられた俺は声を荒げたが返事はなく、チッと舌打ちをして廊下に出ると数十メートル先に早くー！と手を振るチビの姿が見えた。
俺はこめかみの血管がピキピキと浮き出るのを感じながら、こんな風呂敷窓から投げ捨ててやると考え、でも止める。
「……」
その理由は、アイツが作った料理がどんなモンなのか気になっちまったからだ。
壊滅的に不味いのか、プロ並に美味いのか、それとも平均的なのか。
俺の好奇心が騒いだ。
しょうがねェ。とりあえず行ってやるか、と俺は決めたが、でも今はその前にやることがある。
「Aくん、はやッ、！ぎゃー？！」
「テメェが俺に偉そうに命令すんな！俺の前を歩いてんじゃねェクソチビ！！」
生意気にも調子に乗ってるコイツに、飛び蹴りをかました。
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名前決まらないドン(プロフ) - 戻ってくる事を祈って待っております (2019年5月11日 13時) (
レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
あげあげ！ - 主人公のツンツンデレ具合がちょうど良すぎて死にそう(吐血) (2018年7月16日 23時) (レス) id: 94845ca325 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - うふさん» あなた様にこの小説が読み返されていることがとても幸福です！確かにみんな格好良いですよね…！ (2018年7月14日 13時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
うふ - 読み返すたび毎度思う、全キャライケメン。 (2018年7月12日 3時) (レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - 餅原 葵さん» 初めまして、コメントありがとうございます！一之瀬君が人気でとても嬉しいです…！そう言っていただけて本当に有難いです！更新頑張らせていただきます！ (2018年7月3日 18時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：●龍● | 作成日時：2017年12月25日 19時
