化け物が百三匹。 ページ16
「一之瀬」
「っ！」
クソワカメは低く俺の名前を呼んだ。
特別威圧感があるわけでも、鋭さがあるわけでもねェ平坦な声。
でも、その何考えてんのかわかんねェ俺を見透かすような目に、それ以上言葉を紡げず俺は黙り込んでしまった。
「……んじゃま、時間が押してるからHRはカット。ってことですぐにヒーロー基礎学を始める」
「なにするんですか？」
「今日のはちょっと特別。
「「胸ふくらむヤツきたああああ！！」」
切り替えて言ったクソワカメの発言に、人間共が立ち上がり雄叫びをあげる。
そのうるささにまた耳を塞いでギリッと歯ぎしりをしていると、クソワカメは個性を使ってソイツらを黙らせ、淡々と話し始めた。
「ダリィ」
まぁ素直に聞く気なんてねェからひたすらぼーっとしていると、黒板にグラフが写される。
なんか指名件数？って書いてあって、どうやらそのグラフの長さがヒーローに指名された数らしい。
「……あ？」
けどその並びに、俺のグラフは無かった。
は？クソかよ意味わかんねェ。やっぱゴミなんだなヒーローってのは。
「見る目なさすぎだろ死ねや」
「見る目ないよねプロ」
「あ゛？」
「あ」
綺麗に被った声に反射的にソッチの方を向くと、ナルシスト感丸出しのヤツが同じく俺の方を見てぱかりと口を開けていた。
無性に腹が立ったから親指を下に向けて首を横に掻っ切るジェスチャーをしてやると、ソイツは「わぁ野蛮☆」と呟き高速で顔を逸らした。
後でぜってェ殺す。
「まぁ仮ではあるが適当なもんは……」
「付けたら地獄を見ちゃうよ！！この時の名が！世に認知されそのままプロ名になってる人多いからね！！」
「「ミッドナイト！！」」
そうこうしてる間に変な女が入ってきて、紙とペンが配られた。
これに自分で考えたヒーロー名を書いて人間共の前で発表するらしい。最悪だ。
「……でもまァ、」
俺のはもう決まってる。
てかこれ以外にねェんだよな、俺らしいのは。
「じゃあ出来た人から発表してね！」
その声が聞こえてすぐ、俺はガタンと音を立てて椅子から立ち上がる。
そしてそのまま何を言わずに前に立った。
「さあ、一之瀬君はどんな名前にしたのかしら？！」
全員の視線が俺に集中するのに不快感を覚えながら、書いたヒーロー名を見せる。
「モンスター」
「「！」」
人間共は目を見開いていた。
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名前決まらないドン(プロフ) - 戻ってくる事を祈って待っております (2019年5月11日 13時) (
レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
あげあげ！ - 主人公のツンツンデレ具合がちょうど良すぎて死にそう(吐血) (2018年7月16日 23時) (レス) id: 94845ca325 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - うふさん» あなた様にこの小説が読み返されていることがとても幸福です！確かにみんな格好良いですよね…！ (2018年7月14日 13時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
うふ - 読み返すたび毎度思う、全キャライケメン。 (2018年7月12日 3時) (レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - 餅原 葵さん» 初めまして、コメントありがとうございます！一之瀬君が人気でとても嬉しいです…！そう言っていただけて本当に有難いです！更新頑張らせていただきます！ (2018年7月3日 18時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：●龍● | 作成日時：2017年12月25日 19時
