化け物が九十九匹。 ページ12
＊
鐘が鳴る一分前。
遅刻ギリギリに学校に来た俺は、教室の前でバカでけェ扉とにらめっこをしていた。
あとはこれを開けるだけ。
それだけなのに、こんなにも怠ィ。
「……ふー」
鐘が鳴る五十秒前。
俺は深く息を吐くと手で扉の取っ手を掴み……思い切り横に叩きつけた。
「オラァ！！！」
バァン！！とそれなりに重量のある扉が壁に強くぶつかり、鈍い音が響く。
「「？！」」
それと同時に、教室に居た人間共全員の視線が俺に向いた。
どいつもこいつもぽかんと見事なアホヅラを晒してやがる。
俺はその視線を受け止め、目つきを鋭くし、低く呟いた。
「見てんじゃねェよぶっ殺すぞ」
俺の登場で人間共は一瞬黙り、クラスの雰囲気は一気に悪くなる。
そんなモンクソどうでもいいが、それがいつもの流れだった。
……んで、今日もそうなるはずだったのに。
「っAくん！！！」
「あ？！」
チビが泣きそうな顔で俺に駆け寄って来たことによって、その流れは終わった。
「よ、良かったぁ……！Aくん、学校来ないかと思ったよ……！」
「ッキメェ！寄ってくんじゃねェよカス！！」
「相変わらずの口の悪さ！！
……でも、やっぱりそっちの方が君らしくて良いな！なんか落ち着く！」
「はァ？ドMかよテメェ今すぐ消えろ俺の半径10km以内に入ってくんな」
「そんな無茶な！」
にこにこと気持ち悪ィぐらい嬉しそうに笑うチビに心から蔑むような目で見下ろすと、
「私Mなんかじゃないから！その目やめて！！」と今度は焦りだす。
するとそれを今まで黙って見ていたヤツが、口を開いた。
「ケロケロ、やっぱり仲良いのね。二人とも」
「なわけねェだろ死ね！！」
「……うん、わかってたけどそこまで否定されるとヘコむわぁ」
カエル女の聞き捨てならねェ言葉にすぐ怒鳴りつけて否定すると、チビはなんともいえねェ微妙な顔をして頭を掻く。
そしてそんなチビを横目でちらっと見てから、カエル女は俺の顔を見てにこにこと笑った。
「私たちはね、あなたにとても感謝しているのよ」
「…………は？」
思いがけなかった言葉に、俺は目を丸くする。
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名前決まらないドン(プロフ) - 戻ってくる事を祈って待っております (2019年5月11日 13時) (
レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
あげあげ！ - 主人公のツンツンデレ具合がちょうど良すぎて死にそう(吐血) (2018年7月16日 23時) (レス) id: 94845ca325 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - うふさん» あなた様にこの小説が読み返されていることがとても幸福です！確かにみんな格好良いですよね…！ (2018年7月14日 13時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
うふ - 読み返すたび毎度思う、全キャライケメン。 (2018年7月12日 3時) (レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - 餅原 葵さん» 初めまして、コメントありがとうございます！一之瀬君が人気でとても嬉しいです…！そう言っていただけて本当に有難いです！更新頑張らせていただきます！ (2018年7月3日 18時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：●龍● | 作成日時：2017年12月25日 19時
