化け物が七十二匹。 ページ33
＊
あの事件の時、死柄木等と共に現れた女。
一之瀬を追い詰め、声を奪った張本人は今警察で取り調べを受けていた。
根津の話によると女は何も喋らず黙秘を貫いていて、捜査は難航しているらしい。
「……クソ」
それを聞いた相澤は怒りと共に焦りを覚えた。
『声を操れる。それがあいつの個性』
死柄木は確かにこう言った。
奪うではなく、操ると。
それならば明らかに矛盾しているのだ。
返すことが出来ないのならば、それは操るとは言わない。
相澤は、女は声を返せると踏んでいた。
だから焦っている。
体育祭は雄英の一大イベントで、生徒たちにとって大きなアピールチャンスとなる舞台。
ここを逃すわけにはいかないのだ。
そして焦りの理由はもう一つ。
一之瀬の状態が、相澤の予想以上に悪かったことにもある。
ショックを受けていることはわかっていた。
絶望を感じていることも知っていたし、荒れるだろうとも思っていた。
だが教室にやってきた一之瀬の表情は、それら全てを通り越していた。
これは駄目だ。
相澤の頭が激しく警報を鳴らしていたのだ。
このままではあいつが壊れると。
「……」
先程、相澤はオールマイトに会った。
静かに睨んでくる相澤にオールマイトは必死に謝り、会議があったのを忘れていて、や雄英に来たならもう大丈夫だと思った等の相澤にとって心底どうでもいい言い訳を並べる。
そしてその後、オールマイトは表情を曇らせてこう言った。
『一之瀬少年、喋ろうとしなかったんだよ』
聞けば、オールマイトは今までずっと一之瀬に違和感を抱いていたのだという。
だが何に対してなのか自分でも分からず、考えていた。
そしてその違和感に、気づいた。
一之瀬は目覚めたとき、口を開こうとしなかったのだ。
それが意味すること。
それは、一之瀬が喋ることを諦めたという事実で。
「勝手に諦めてんじゃねぇよ……！！」
相澤の足は、警察署に向かって駆けていた。
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研磨LOVE - お話も面白く、絵もNAOKIさん……最高すぎます！これからも更新頑張ってください！ (2018年3月17日 8時) (
レス) id: 35f41412ab (このIDを非表示/違反報告)
ホタル(プロフ) - イラストがっ…！！素敵すぎます！！ (2017年12月25日 23時) (レス) id: e79370225b (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - 本題ですが、この小説は続編に行きます！話数の関係でお知らせできなかったので、失礼ですがここでさせていただきました！もしまだ付き合っていただけるという方がいらっしゃれば、後もうしばらくお付き合いください！ではまた！ (2017年12月25日 20時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - 皆様、いつもいつも暖かいコメントを本当にありがとうございます！皆様のコメントのおかげで、ここまで来ることができました！本当にありがとうございます！！そして返信できなくてすみません！ですがきちんと一つ一つ大事に読ませていただいているのでご安心下さい！ (2017年12月25日 20時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
プリン - ふオォォォォォォォォォ！絵うますぎる(真顔) かっちゃんかっこいい！！更新頑張ってください！！応援しております！！ (2017年12月24日 0時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：●龍● | 作成日時：2017年8月6日 17時
