化け物が五十八匹。 ページ19
＊
｢…………母さん？｣
俺が小学三年生のとき。
ある日突然母さんは死んだ。
事故死だった。
母さんはただ青信号を歩いていただけだったのに、居眠り運転をしたというクソ野郎に轢かれた。
即死だったらしい。
母さんはいつも優しくて明るい、向日葵のような人だった。
俺が無個性だとわかって周りのヤツらに馬鹿にされていたときも、母さんだけは俺の味方だった。
｢ええ、確かにAは無個性よ。
でもそれは私に責任があるわけだし、Aが馬鹿にされる筋合いはないわ。
……それに、個性があるかないかなんてとっても小さな問題よ！だって世界はこんなに広いのよ？
そんなことを気にするぐらいなら、もっといろんなことに目を向けてみましょう？｣
これは俺を馬鹿にしていたヤツらに母さんが言った言葉。
それから俺を馬鹿にするヤツはほとんどいなくなった。
母さんが死んで、最初は悲しくて悲しくて仕方がなかった。
なんで、どうして母さんが、と一日中泣き続けた。
だがしばらくすると今度は怒りがわいてきた。
それは相手の運転手はもちろん、母さんを助けなかった『ヒーロー』にもだった。
｢なにがヒーローだよ。俺の母さん一人助けられないで。全員助けられないならヒーローなんて偉そうに語るなよ。もてはやされてんじゃねェよ。役立たずのくせに！！」
ヒーローが助けられる人間なんてほんの一握りなんだと知った、このとき。
俺は母さんを轢いた運転手よりも、ヒーローへの憎しみの方が強くなっていた。
俺は宝物だったヒーローのフィギュアを床に叩きつけ、踏み潰し、決めた。
『俺が代わりにヒーローになって、この腐った世界を、嘘つきなヒーロー共を叩き潰してやり直させる』と。
＿＿＿＿憧れを失った、小学四年生。
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研磨LOVE - お話も面白く、絵もNAOKIさん……最高すぎます！これからも更新頑張ってください！ (2018年3月17日 8時) (
レス) id: 35f41412ab (このIDを非表示/違反報告)
ホタル(プロフ) - イラストがっ…！！素敵すぎます！！ (2017年12月25日 23時) (レス) id: e79370225b (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - 本題ですが、この小説は続編に行きます！話数の関係でお知らせできなかったので、失礼ですがここでさせていただきました！もしまだ付き合っていただけるという方がいらっしゃれば、後もうしばらくお付き合いください！ではまた！ (2017年12月25日 20時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - 皆様、いつもいつも暖かいコメントを本当にありがとうございます！皆様のコメントのおかげで、ここまで来ることができました！本当にありがとうございます！！そして返信できなくてすみません！ですがきちんと一つ一つ大事に読ませていただいているのでご安心下さい！ (2017年12月25日 20時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
プリン - ふオォォォォォォォォォ！絵うますぎる(真顔) かっちゃんかっこいい！！更新頑張ってください！！応援しております！！ (2017年12月24日 0時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：●龍● | 作成日時：2017年8月6日 17時
