君の他には何にもいらないよ

悪いのはお前じゃない ×in ページ41

いのおちゃんが振る話。この振り方酷いなって書いてて思った。
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別れよう、さよなら。

って、言ったよな？


ねえ。
もう俺はお前のこと好きでもなんでもないし。
愛してる、って今更言われたって、聞き分けるわけもないし、何にも返してやれないよ。

ていうか、お前を振って傷つけた相手に、慰めてもらおうとしてんじゃないよ。


「嘘でもいいから、」

情けない奴だったけど、そんなこと言うやつじゃなかっただろ。


一緒に過ごしてきた時間は確かに宝物だった。
情が残っているのも自覚してる。

それでも、
それでももう、俺はお前に寄り添ってやれないよ。


いっつも肝心なところで黙り込んで、お前はずるい奴だったから、
俺はちゃんと目を見て、さよならしたでしょ？


まだ足りない？


悪いのはお前じゃないんだよ。
悪いのは、勝手に他に好きな人ができちゃった俺の方。

だから、謝られたって、悪いところ直すからって言われたって、
お前は何もできないし、俺も何もしてやれることはない。

ごめんな。

お前に貰った幸せな気持ちとか、時間とか、いい加減にはしないよ。
けど、俺の気持ちはもう、あの人に奪われちゃったから、どんだけ足掻いたって、何にも残ってないんだ。


ああ、お前はそういう奴だったな。
縋り付いて、やり直してって、悪くもないのに謝って。

お前の心が音立ててバラバラになってるのがわかる。
でも、それだけ。

頰に涙が伝うのを見て、綺麗だな、って思うのが関の山だ。




「より戻そうって、言われちゃいました」
『そっか、』
「ちゃんとさよならしてきましたよ」
『嬉しいなあ、はよ、会いたいわ』
「俺もです。貴方の顔みると、ホッとする」
『んふ、それほんま？』
「ほんとですよぉ」

電話越しじゃ物足りない。
まだ俺の前で立ち尽くすそいつの横をすり抜けて、心奪われた相手の元へ走りだした。

(終)

song by ミラーボールとシンデレラ / back number

関西弁わからなすぎた。

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