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side geek
「今じゃええオトモダチってとこやな」
事の顚末が話されてしまえば、なんてことはないんだ。
隣のスコープが、固く拳を握っているのが目の端に見える。
後ろからの視線も痛い。
半分はスコープの様子を伺うものだけど。
「…ギーク」
「なに」
「なんで、相談してくれなかった…」
悔しそうな声を出すスコープに、こちらが驚いた。
「敵襲が、あったなんて、一度も…」
「だって、」
超生物にボコボコにされて、コマンダーも、バレットも、みんな荒れ気味だったとき。
それでも依頼は止まないし、仕事を増やしてやりたくなくて。
「一人でなにもかも、やることなかったでしょ」
僕だっていたじゃない、と後ろから小さな身体が抱きしめてきた。
ドクターだって、2人のケアに忙しそうだったし。
「俺にやれることは、俺がやりたかったんだ」
人より感情に鈍いから。
寄り添ってやることは出来なかったから。
褒めてくれてもいいんだぞ、ってドヤ顔かましたら、正面にいたジョニーさんに頭を叩かれた。
「あほ、心配させてんねやから、謝り」
「あっ、結構本気で叩いたでしょ!痛い!」
もう、って、いつもエースさんに向ける顔が、俺に向けられていた。
見回せば、マックさんもジャッキーさんも、アーセナルさんでさえ、呆れた顔をしている。
どうして?
「あのさあ、自分の知らんところで仲間が体張ってて、何にも役に立てへんかった悔しさって、自分が一番わかるもんやないの?」
「…いつも頑張ってくれるみんなの為に役に立ちたい気持ちも、ジョニーさんならわかるでしょ」
そう言うと、ぐ、と押し黙る彼をジッと見上げる。
俺達は戦うには力が足りないから。
黙ってたのは、みんなに余計な負担をかけるって、本当はわかってたから。
同じ立場なんだから、お互いの考えることなんて、大抵わかる。
責めようにも責められないジョニーさんに代わって、ガムさんが俺の頬をペチ、と叩いた。
「ジョニーはウチの中じゃ一番年下やし、俺らが気にかけてやれるけど、けいくんはそうやないもんね。けど、わかってな?この子らもけいくんのことが大事なんやで?」
でも俺らが言ったところで、わからんかもなあ。
って、叩いた頰を優しく撫でる。
「ちゃんと、教えてやって。」
スコープの方へ顔を向けたガムさんの表情は、やっぱり優しい。
わかりました、と真剣な顔で頷くみんなを見て、どこか他人事のように笑ってしまった。
(終)
まとめられなかった。
似非関西弁。
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かじ(プロフ) - 佐々木さん» コメントありがとうございます。とっても嬉しいです。拙い文ですが、楽しんで読んでもらえたら幸いです。 (2018年7月5日 0時) (レス) id: cc9d60b609 (このIDを非表示/違反報告)
佐々木 - すぺてのお話がキュンキュンします。次のお話も楽しみにしています。 (2018年7月3日 21時) (レス) id: e2f78d2bae (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - 特にことばにできないが大好きです!伊野尾くんが幼い感じのおはなし待ってますね、、、 (2018年6月27日 22時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)
かじ(プロフ) - 琳さん» はじめまして。ご丁寧に感想をありがとうございます。恐縮です。拙い文ですがこれからも読んでいただけると嬉しいです^ - ^ (2018年6月27日 22時) (レス) id: 76a26e19db (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - かじさんはじめまして!いつも楽しく読ませてもらってます!!すごく大好きなお話ばかりで更新が楽しみで仕方ないです(*´∀`*)これからも頑張ってください! (2018年6月27日 21時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かじ | 作成日時:2018年6月17日 23時