維―つなぐ―3

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ｶﾞﾗｶﾞﾗ





「A…」




『…ｯとにかく、無事みたいでなによりです』





ーーーヘリが、墜落したの。




処置室にいないことを見越して先に報告してくれたが本題は違った





ーーー大動脈から出血している、もう助からない…灰谷先生はまだ諦めてない





ーーー諦めさせたら、いいのね？




ーーお願い。




そう言われ、灰谷君に繋ぐ




「聞こえる？ちょっと見たいから手どけて」




心臓マッサージをしている手を避ける



「…残念だけどもう助からない…骨盤骨折の方を」





「“でも…！ヘリで運べ…ｱｯ”」





『そう…ヘリは今飛べない』





ヘリが墜落なんてあってはならないこと





だけど…それが起きてしまった




その原因に、灰谷君は心当たりあるようで




それに負けまいと必死で心臓マッサージをするが




溢れ出す血は、止まらない





『大動脈破裂。もう、助からない』





どんなに急いでもこの人は助からない







『助けられる患者を、たすけて』




「“………”」





手が…ゆっくり離れる




白石先生の、事務的な話が聞こえて
通話を切る





『橘先生…これ』




「…あぁ、開かれるだろうな」







“査問委員会”







響きの悪い、言葉だった

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