6 ページ7
「おい、何があった」
「ユーラ!?どうして、私入ってこないでって行ったじゃ」
「質問してるのはこっちだ。いつも早いお前が、どうして今日はベットから出てさえいないんだよ」
「...それは、」
「なにか、ベットから出れない事情でもあんのか?」
そう言いながら、彼は私の布団に手を掛けた。
これ以上、相手にリードされてはいけない。私は必死にその手を止めた。
「だ、ダメ!」
「なんでだよ、今更そういう仲でも無いだろ」
「あっ...!」
いくら子供とは言え、すっかり力の差がついてしまって、私の抵抗も虚しく、布団は剥がされ、私の左足の無残な姿が晒され、ユーリの目は大きく見開いた。
「お前...これ...」
「...だから見ないでって言ったのに。」
「それどころじゃない!びょ、病院行かなきゃ…!」
「病院へは行かない。」
「え...?」
余程ショックだったのだろう。彼の虚勢の仮面は剥がれ、すっかりパニック状態に陥っていた。
「だって、この怪我治すためにたくさんお金がかかるでしょ?それくらい、馬鹿な私でもわかるよ」
「そんなこと言ってる場合じゃ...や、ヤコフに相談しよう!きっと助けてくれる!」
「ヤコフは私の恩人なの。これ以上迷惑はかけたくないなぁ」
「じゃ、じゃあミラでもいい!とりあえず、俺たちより年上の人呼ばないと...!」
「ユーラ」
「ありがとね、必死になってくれて。別に、死ぬわけでもないし、勝手に治るよ。」
彼の優しさに、思わず語尾が震えた。泣きそうなのが、バレてしまっただろうか。
「そ、そんなわけないだろ...これがそう簡単に治らないって、俺でもわかるよ」
「大丈夫、わたし、強いの知ってるでしょ?」
そう言って微笑んだ私を見たユーリは、一瞬にして涙を零し始めた。こんなユーリを見たのは久しぶりで、どうしたらいいかわからなかった。
そんな時、電話が鳴った。
82人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
倉狩莉緒菜(プロフ) - あずき。さん» お返事ありがとうございます!ぜひとも応援させてください!いまのままでも充分いい話です(><)レーヴェちゃんもユリオも最高です!!最近インフルやノロが流行っておりますので、お気をつけて更新してください(^^) (2017年1月6日 21時) (レス) id: 6c269fd559 (このIDを非表示/違反報告)
あずき。(プロフ) - 倉狩莉緒菜さん» コメントありがとうございます!!もっともっといい話になるように頑張りますので、これからもレーヴェとユーリを応援してやってください…! (2017年1月6日 21時) (レス) id: bf0240cbf6 (このIDを非表示/違反報告)
倉狩莉緒菜(プロフ) - はじめから読んでいてとても続きが気になりました!早く続きが読みたいです(^^)更新頑張って下さい、応援しています! (2017年1月5日 23時) (レス) id: 6c269fd559 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あずき。 | 作成日時:2016年12月29日 10時