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「よし、じゃあ早速手本を見せるよ」
最初はアガペー。無償の愛。ヴィクトルは天使のように氷上を鮮やかに舞う。
イメージ的には天使なのだろうが、ユーリはどちらかと言うと可愛い顔した悪魔だ。
勇利と話している横顔を見て、思わずクスリと笑ってしまう。
「あ?何笑ってんだよ」
「ううん、楽しそうだなーって」
「楽しい訳ねーだろ!」
「はいはい、ちゃんと演技に集中して?」
「こんのっ...!」
とりあえず怒り出したユーリを無視(笑)し、目の前で演技しているヴィクトルに集中する。
そして、ストロゲーとは一体どういうものか、考えてみる。
__私にとっての、ユーリ
あながち間違っていないかもしれない。彼とは、生まれてからずっと一緒と言っても過言ではないだろう。
だが、彼からしたらどうなのだろうか。
私が一方的にそう思っているだけで、彼には想い人がいるかもしれない。
思わず下を向き考え込んでしまっているうちに、アガペーを滑り終えたらしい。顔を上げ、ヴィクトルを見た瞬間、可愛らしい声が響いた。
「すごい綺麗...!」
「あ?お前誰だよ」
「ちょっとユーラ!初対面の人にそんな言い方ないでしょ!」
「突然ごめんなさい。あまりにも綺麗だったから。私は西郡優子。よろしくね。ユリオくんとレーヴェちゃんだよね?」
「はい!よろしくお願いします!」
「タメ口でいいよ!友達になろう?」
「!うん!よろしく優子!」
そう言って優子と握手を交わすと、ユーリが何も言わずにただ優子を見つめていることに気が付いた。
「ユーラ?どうかした?」
「っああ、悪い、ぼーっとしてた」
「...それだけならいいけど」
ユーリはぼーっとしただけと言ったが、それだけではないと思う。
私には、わかった。あれは、優子に恋した目だ。
胸の中に渦巻くどす黒い感情をどうにか抑え、エロスを滑るというヴィクトルに目線を戻した。
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倉狩莉緒菜(プロフ) - あずき。さん» お返事ありがとうございます!ぜひとも応援させてください!いまのままでも充分いい話です(><)レーヴェちゃんもユリオも最高です!!最近インフルやノロが流行っておりますので、お気をつけて更新してください(^^) (2017年1月6日 21時) (レス) id: 6c269fd559 (このIDを非表示/違反報告)
あずき。(プロフ) - 倉狩莉緒菜さん» コメントありがとうございます!!もっともっといい話になるように頑張りますので、これからもレーヴェとユーリを応援してやってください…! (2017年1月6日 21時) (レス) id: bf0240cbf6 (このIDを非表示/違反報告)
倉狩莉緒菜(プロフ) - はじめから読んでいてとても続きが気になりました!早く続きが読みたいです(^^)更新頑張って下さい、応援しています! (2017年1月5日 23時) (レス) id: 6c269fd559 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あずき。 | 作成日時:2016年12月29日 10時