【HQ】ゴミ溜め四人衆、見参。【稲荷崎】

高校生たちのご飯（冬） ページ24

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今回の春高予選は、私にとっては初めてのバレー部応援。

そこまでノリノリというわけでもないけど、吹部のコンクールとは全く違う運動部の公式戦の雰囲気に気分が上向いた。

まあ、ここに来るまでに一悶着ないでもなかったけど。


吹奏楽部で学校に集合していざ出発、というときに金髪小僧から電話がかかってきたのである。

何事かと思って出ると、半泣き大焦りの彼の、切羽詰まった絶叫が。


『バレーシューズ体育館履きと入れ違った！！！』


つまり持ってこいというわけである。

そのまま体育館履きでやればいいじゃんと言ったら、シューズとそれとでは全く機能が違うらしい。

開始には間に合ったからよかったものの。


というわけで、今日は宮侑の奢り昼飯(ここまで前置き)


本日11月30日は、午後が音楽祭で近くの音楽ホールに移動しなければならない。

つまり昼時に合法的に外に出られるので、宮侑を救った私と笠川と、何故か他の男バレ連中、さらに水瀬に多田の8人でもんじゃ焼き屋に来た。

食べ放題90分で今12時15分。

音楽祭の開始は2時だから、早めに出ればまあ遅刻することもないだろう。


「学校からホールまで寄り道禁止って言うとったけど……？」

「え？そんなこと言われたっけ」

「朝のHRで言ったんちゃうん」

「じゃあ聞いてないわ」


聞いとけよ、と笠川が半笑いでツッコんできたが、コイツは遅刻でそもそもHRに参加していない。

そして、銀島のぼやきによれば、結局この外食は違法のようだ。

それがどうした。


それぞれがドリンクバーで汲んできた飲み物を持ち、多田が音頭をとった。


「男バレ全国おめでと〜、かんぱ〜い」

「うぇーい」


男バレが今年も決勝で田貫原を下して全国出場を決めたのは周知の事実である。

稲荷崎が得点した全何十点かのうちの5点をサーブで決めた宮侑が、この後鈴木笠川のぶんの食費を払わなければならないことも忘れ、ファンタグレープを掲げてヘラヘラ笑っている。


ちなみに件の長岡さんは結局インフルエンザだった。

下手な野次馬根性出ちゃったな。




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