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風呂から上がると、女三人ひと所に固まりつつ思い思いの格好をしていた。
直後、ある事実を思い出して口に出してみる。
「そういや小松と菅原さん付き合ってるらしいよ」
「やっぱりか……部活来おへんのにな……」
「男の価値基準って努力じゃないんだなって思った」
「泣けるよな」
こっちは毎回毎回死にながら部活行ってるのにね。
吹部二人で軽くメンタルブレイクしていると、水瀬の携帯が震えた。
「ほんまにかけてきよった」
通話を押すと、しばらくざわついてから、銀島の声が聞こえる。
「あ、もしもし?」
「もしもーし」
「元気か?」
「ねむい」
「あ、多田寝てる」
「起こせ!」
くだらない内輪話ばかりした。
ゲームとかなしで完徹できるのか疑問だったが、わりと話が尽きない。
ほぼ愚痴と悪口だから。
5組の女が先輩に手を出した話、ずっと一人の女子を好きだと言って付きまとっている男のキモ話題などなど…。
それぞれの話題で1時間近くもたせるので、仲良くなったものだなと思う。
驚くことに、銀島もたまに「キモ」とか「ソイツ最悪」とか言う。
深夜テンションもあるけど、ここに染まってきてしまったということだろうな。
申し訳がない。
でも、流石に今日はたくさん歩いただけあって、はじめ(といっても3時)に落ちた水瀬を皮切りに、どんどん人がいなくなっていく。
「あ、侑死んだ」
「マジ?」
そして、結局また角名と私だけ残ってしまった。
時刻は午前5時。
かなり微妙な時間。
「うちらも寝る?」
「えー。もうちょっと」
「たしかに今から寝てもな……」
でしょ、と角名が囁く。
寝ている周りへの配慮を感じる。
「そういえばさ、なんでそんなに小松たちのこと気にすんの」
「え?部内恋愛だから」
「そんなこと言ったら松下と片桐だって付き合ったじゃん」
「んーまあ……」
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のどか - こういう恋愛とかじゃなくてほんわか(?)日常を書いた小説大好きです!面白い!! (2022年2月5日 18時) (レス) id: e2bd7f241c (このIDを非表示/違反報告)
にはろ(プロフ) - 佐藤さん» 返信遅くすみません!ありがとうございます! (2021年5月16日 18時) (レス) id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤 - 凄く面白いです!主様のペースで更新頑張ってください! (2021年3月12日 14時) (レス) id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
にはろ(プロフ) - れいんさん» お気遣いありがとうございます。頑張ります!! (2021年2月16日 22時) (レス) id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
れいん(プロフ) - 前作からたくさん笑わせてもらってます(笑) 無理せず更新頑張ってください。気長に待ってます! (2021年2月16日 20時) (レス) id: 8a090eaaf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にはろ | 作成日時:2021年2月13日 13時