第三体育館。 ページ6
.
面白い人たちだなーと思いながらそのやり取りを見ていると、いつの前にか呼び方の話になっていた。
「黒尾は何て呼んでんだ?」
「普通に及川チャン」
「何でチャンづけ?」
「最初は呼び捨てだったんだけど、なんか烏野の連中がいちいち反応するから」
特に一年セッターと二年坊主がな、とけらけら笑いながら言う黒尾さん。
笑い事ではありませんがね。
うちの兄嫌われすぎな。
「えっ、嫌われてんの?」
「えっ」
ド直球に言ってきたのは木兎さん。
思ったことすぐ口に出ちゃうタイプだこの人。
「えー別に性格悪くなさそうなのにな」
「なんでだろうな」
嫌われてる前提で話が進んでいく。
ちょっと待て黒尾さんアイツ絶対面白がってるだろ。
でもこれはまずい、止めなければ。
「嫌われているわけではない、と思いたいんですけど」
「他に心当たりある?」
「まあ、あるっちゃありますかね」
とりあえず及川A嫌われている説を阻止することができた。
「他校に兄がいるんですけど。そっちの方が結構性格悪いもんで、初めて練習試合した瞬間に嫌われて帰ってきまして」
簡潔に説明すると、木兎さんが質問を切り込んできた。
「黒尾とどっちが性格悪い?」
「兄です」
「即答」
木兎さんが驚いたように言う。
「あの挑発上手の黒尾君を超える性格の悪さってなんだ!?」
「挑発とかそういうんじゃなくて……なんだろうな……単純に性格が悪いっていうか、何もしなくても苛ついてくるっていうか」
「そいつホントにお前の兄ちゃん?すげー言うじゃん」
「あはは……」
157人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にはろ | 作成日時:2020年6月20日 10時