はたらけ。 ページ43
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「……試合に出られないから練習するんだろ」
さも当然だろというふうに、不思議そうに響いたその言葉。
どう考えても川田を睨んでいるようにしか見えない目つきの悪さは、影山だ。
川田もそれに怯んだらしく、な、なに、と呟いている。
「てか、及川がヘラヘラしてるせいで気付かないだけかもしんないけど、廊下の装飾ほぼ及川一人でやってたよね。自業自得だけど」
後ろからにょき、と出てきたのは月島。
余計な一言、いや二言ぐらいあったかもしれない。
「月島……！」
少し声が高くなった川田。
お前好きだろ、何がとは言わないけど。
「……コイツもう一日分働いたしいいんじゃない、解放しても」
「そ、そうだね」
月島君は救世主でした。
あとで拝もう。
「じゃあ部活行ってくる。ありがとね」
先ほどの一騒動が無かったかのようにおつかれーと言ってくれる女子たち。
暖かいね、このクラス。
教室を出る前、後ろの方でなにやら遊んでいる男子共(一部を除き)に言う。
「お 前 ら 働 け」
そう笑顔のまま言い捨てて外に出た。
月島と影山が何やら言い合いをしている。
「俺が喋ってる途中ににょきにょき生えてくんじゃねーよ」
「は？生えてないし、そもそも君の台詞とか需要無いから。聞いてないから」
いつもの喧嘩のようだ。
「二人ともありがとう」
そう二人に向かって言った。
「感謝される覚えないんだケド、キモチワルイ」
「ごめん月島君、私今何言われても許せるから」
「……ますますキモい」
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そう、試合に出られないから、練習するんだ。
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作者名：にはろ | 作成日時：2020年6月20日 10時
