東京合宿。 ページ40
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「おお!東京!」
「初めて見た!スカイツリー!!」
「鉄塔……」
音駒での東京合宿。
今回は一泊だけの合宿だが、何故か女子が三人ほど増えている。
例のバカ二人組と、引きずられる形で来たちひろ。
7日間不在だった理由を話した瞬間に西谷さんのところに乗り込み、勿論西谷さんは二つ返事ならぬ一つ返事(?)でOK。
そのままいろいろゴリ押しで東京に押しかけたというわけだ。
「Aの推しどれ!?!?」
「声がデカいからさ」
相も変わらず甲斐甲斐しく木兎さんの世話を焼く赤葦さんの方を示して、あの人、と言う。
「へーっ。頑張ってね!」
「君ら推しって意味知ってる?」
恐らく何も理解していない二人を放って体育館に入る。
西谷妹も来ていて、バカトリオですでに仲良くなっていた。
青城はベスト8まで行ったから一次予選は出ていない。
とりあえずくじで当たった私と花那が音駒の手伝いをして、日中を過ごしていた。
「及川ちゃん、なんかあった?」
「はい?」
ビブスを配っている時、一か月ぶりに会った黒尾さんからの第一声が、上のそれ。
もうちょっとなんか言うことないの?そんな怖い顔してた?
困惑していると、花那が横から顔を出して頷く。
「ですよね!A最近あんま喋んないし、練習ばっかしてる!」
「悩み事?」
「いや……?」
「そ。ならいいけど」
それだけ言って、黒尾さんは去っていった。
確かに最近少し気を張っていたかもしれない。
でも、その緩め方は知らない。
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作者名:にはろ | 作成日時:2020年6月20日 10時