元ベストの意地。 ページ17
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星のしょんべんサーブは辛うじて入っていて、日向が取って助走に入る。
星が月島のクロスに移動した。
(日向の動きは無茶だ、月島来る……!)
と、思うじゃん?
「っまさか!」
選ばれたのは、日向でした。
一度も合わせたことがないどころかあんま技術のない日向にトスを上げた。
そして、それが決まったのだから、その場の驚きはものすごかった。どや。
星を見て勝ち誇って、言った。
「ベストセッター舐めんな」
「よし殺す」
「ちょっ、西谷落ち着いて!」
そう言って犬岡灰羽に抑えられている星に、さっきの仕返しだとばかりに舌を出す。
「てか、ミジンコみたいな脳で考えすぎるからいけないんだよ。今完全に日向ノーマークだったじゃん」
「あんなんトス合わせんの無茶だろ!」
「私のこと見縊っちゃいけないよ。ほんとマジそういうトコ」
へへん、と鼻で笑って見せれば星は歯噛みして、言う。
「そういや、お前の兄ちゃんあんなだったのな。イケメンなのに残念だわ、似たなお前」
「あんたも頭の出来はお兄さんと一緒なんだからあんまセッター向いてないと思うんだけど」
「は?それ影山に言えよ」
「……確かに」
「チョット、早く戻ってよ」
月島に言われて会話を止め、構えた。
ないさ、と気のない声をかけて、向こうを見据える。
日向はスパイク決めて嬉しかったのか元気いっぱいだった。
「月島ナイサー!!!!」
「うるさい」
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作者名:にはろ | 作成日時:2020年6月20日 10時