及川妹、リベロになる。２ (ページ11)

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大凶の呪い。ページ11

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「……黒尾さん嫌がらせですか。一つも揃わないんですけど」

「え、俺あと三枚だけど」

確かに、黒尾さんの手元には三枚しか残っていない。

他のメンバーもそれなりに揃ったものがあるようで、手札から抜いている。

ジョーカーが無いのがせめてもの救いだろうか。

「まあ運も実力のうちだよな。じゃんけんしよーぜ」

そうして始まったじゃんけんでも見事に一人負けした。

「Aちゃん大丈夫？今年どっかで運使い果たしたんじゃない？」

「……初詣のおみくじで大凶出しました」

「逆に！」

何も逆じゃないし何も嬉しくない。

受験の願掛けしに行ったのに大凶出ちゃって。

じゃんけんで勝ったのは右隣のスガさんだった。

「よーし、これだ！」

勢い良く引いたカードはペアが無かったのかそれともジョーカーなのか、スガさんは少し眉を寄せた。

「はいAちゃん」

国見とのゲームで心理戦を一切捨てたので、迷いもためらいもなくカードを引く。

しかしそのカードがそろうことはなかった。

見事に全部数が違う。

こんなことある？

「む！さてはジョーカーを持っているな！」

「いや、持ってません」

「嘘をついても無駄だぞー！今引いたのは間違いなくジョーカーだ！俺にはわかる！」

「……ソウデスネ」

「おいツッコミを諦めるな！」

目の端に肩を震わせている黒尾さんが目に入る。

ジョーカーもってるの絶対彼奴じゃん。