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翌朝、ユリはハリーとロンと、ウィーズリー兄妹が学校にいないことに気づいたが、何も聞かなかったし、言わなかった。
慌てふためくハーマイオニーを落ち着かせて、帰り支度をする。
ヨーゼフはキングズ・クロス駅でユリを迎えてくれて、彼女を抱きしめた。
そのころには、スネイプの魔法薬のおかげで“補習”の傷もすっかり元通りになっていたので、ユリはなんの気がかりもなくにこにこ抱き着くことができた。
休暇初日から数日経ってクリスマスが来ると、ユリのもとにはプレゼントの代わりに手紙が大量に送られてきた。
ウィーズリー兄妹や、ハーマイオニーやハリー、セドリックから。
一番驚いたのは、マルフォイから真っ黒なクリスマスカードが来たことだ。
特に何が書いてあるわけではなかったけれど、ユリはそれがなんだか一番うれしかった。
とにかく、ハリーたちからの手紙で察したことは、ダンブルドアがどうやらハリーとユリをひとところに集めておきたくないのではということだった。
休暇最終日、ヨーゼフはこれから夏休みまで日本に滞在するから、連絡には時間がかかるかもしれない、と言ってユリをキングズ・クロス駅で送り出した。
新学期が始まると、ユリはハリーたちとホグワーツで再会した。
どうやらみんなはグリモールド・プレイスのシリウスの実家で過ごしたようだ。
ウィーズリーおじさんがヴォルデモートの蛇に襲われて、それを、奇妙なことに、ハリーが夢に見たので、早めにホグワーツから出たのだという。
ユリはハリーがスネイプの個人授業を受けることになったと聞いて、ちょっと笑った。
「笑いごとじゃないぞ！」
「スネイプの課外授業なんて、悪夢を見ていたほうがマシだ……」
ロンがそういうのに、ユリは笑いながら返す。
「私も受けたことあるよ、『閉心術』の個人授業」
「えっ。それじゃ、君はもうそれができるのか？」
「できるよー。でも、できるまではスネイプ先生のこと、ちょっと怖かったな」
ハリーはそれを聞いて、もうこれ以上ないくらい絶望の表情をした。
ユリがそう言うなら、自分はどうなるのだ。
彼の不吉な気持ちが明るくなることはもう一生ないように思えた。
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作者名：にはろ | 作成日時：2023年2月18日 22時
