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「セドリックも参加したいって」
今夜、件の会合の第一回が開催されると聞いて、ユリはハリーにそう伝えた。
「チョウと……ハリーがよければ、集合場所を伝えてあげてくれない？」
ハリーは朝食の席で露骨に嫌そうな顔をしたが、ハーマイオニーに諫められて渋々と頷いた。
この前のホグズミードで、セドリックがあまりトラウマを抱えていない様子だったので、ユリはほっとした。
あの夜の話も少し蒸し返したが、案外さっぱり終わったものだった。
その後、ホグズミードに行った日は奇跡的に晴れていたのだと言わざるをえないほど、激しい雨の日が続いた。
アンブリッジが「ホグワーツ高等尋問官令」というので組織解散命令を出したので、ハリーたちの集団は緊張していたが、結局その翌々日には第一回の集会を開き、「ダンブルドア軍団」と名乗って秘密裏に活動を続けるようだった。
十月は風の唸りと土砂降りの雨の中に消え、十一月がやってきて、新学期から行方不明だったハグリッドがホグワーツに帰ってきた。
二か月代理で「魔法生物飼育学」を教えていたグラブリー‐プランク先生と交代して、最初の授業のことである。
ユリはそこでやっと四年間自分にだけ……今年からハリーも加わったが……見える黒い不気味な生物について、知ることができた。
セストラルというらしい。
ルーピンが名前だけ教えてくれたような気がする。
それは、死を見たことがある者にだけ見えるそうだ。
グリフィンドールとスリザリンの中でセストラルが見えるのは、ユリとハリーと、ネビル、それからスリザリンのセオドール・ノットという男の子だけだった。
ネビルは彼のおじいちゃんが亡くなったのを見たことがあるという。
ハリーはきっと、あの夜に「死喰い人」が一人殺されたから、見えるようになったのだろう。
では、ユリは？
彼女には身に覚えがなかった。
忘れてしまっているのか、それとも相当昔の出来事なのか……。
ツキ、とこめかみが痛んだ。
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作者名：にはろ | 作成日時：2023年2月18日 22時
