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「同じ学年にあの双子がいるのは大変だね」
「そうかもね。でも、彼らの弟のほうが何かと苦労しそうじゃないか？この前の監督生の集まりで顔を合わせたよ」
「そっか、セドリックは監督生だった。首席になるかもって言われてたしね」
「まさか。僕は『天文学』があんまり得意じゃないんだ」
思わぬ共通点を見つけたユリは、ふふ、と笑った。
そっか、私だけじゃないんだ。
周りは「魔法薬学」とか「魔法史」が苦手な人が多いから。
「選択科目にしてくれればいいのに」
「まったくもって同意するよ」
昼は「スティープリー・アンド・サン」という喫茶店ですませた。
クリスマス休暇ならまだしも、昼時の「三本の箒」にはよっぽど運が良くないと入れなかった。
セドリックはそれを知っていたので、穴場のおいしいカフェに連れてきてくれたのだ。
ホグズミードにはもうひとつ、「マダム・パディフットの店」という喫茶店があったが、そこはいつものようにカップルのたまり場になっていてきっと落ち着けなかっただろう。
「ところで、ハリーたちが今日何か集まるみたいじゃないか？行かなくてよかった？」
「あ、うん」
ユリは、セドリックにならいいわよねと思って概要を話した。
彼は初耳の反応をしていたので奇妙だなと思ったが、集まりにはチョウも参加するそうなので、ハーマイオニーが気を遣ったのだろうと気がつく。
「そんなことを考えてるのか……。たしかに、あの人は僕も好きじゃないよ」
セドリックがそう言うのなら、もうこの学校でアンブリッジのことを好意的に思っている人なんていないだろう。
ユリは右手の甲をちらと見て、メニューに視線を戻した。
「私、ミートソースにする」
「あっ、それはやめておけ」
その制止に顔を上げると、セドリックが苦笑いを浮かべて声を潜め、言った。
「この店の料理はおいしいけど……ここだけの話、パスタはどうにも」
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作者名：にはろ | 作成日時：2023年2月18日 22時
